コイウタ受難!辻三蔵の「ウィークエンダーキャッシュコールマイル遠征記」第2部!
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 キャッシュコールマイル発走まで2時間を切った午後7時過ぎ、奥平師へ主催者から重量変更が申し渡された。コイウタの負担重量が119ポンド(約53.9キロ)から123ポンド(約55.7キロ)に変更された。馬券は前売りされていて、レーシングプログラムには119ポンドと書かれている。正直、レース直前の重量変更は日本では考えられない異常事態だ。  しかもレース当日になって米国の調教師が「ヴィクトリアマイル(2006年)を勝ったダンスインザムードが昨年は123ポンドで出走したのに対して、コイウタが119ポンドなのはおかしい」と抗議。主催者側はクレームを受け入れる形で123ポンドに変更した。
 理屈はわからなくもないが、キャッシュコールマイルの負担重量は国際G1優勝馬が123ポンド、国際G2優勝馬121ポンド、それ以外は119ポンドと定められている。国際G1の指定がないヴィクトリアマイル(ローカルG1扱いの「Jpn1」)を勝ったコイウタは主催者側の基準に従って、
119ポンドと発表された。しかし、おかしな話で同じく国際G1の指定がない桜花賞を勝ったキストゥヘヴンが「国際G1馬」扱いの123ポンド。ディアデラノビアもフローラSが国際G2ではないのに121ポンドを課せられていた。主催者側のルールに基づけば、変更するのはむしろ、キストゥヘヴンディアデラノビアの負担重量だったはずだ。主催者側は自らが定めたルールを理不尽に変えた。 奥平師は「突然の変更には驚いたが、斤量が増えたこと自体は全く心配していなかった」と落ち着いていた。確かにコイウタは55キロでヴィクトリアマイルを勝っている。突然の斤量増が敗因と書いたメディアもあるが、56キロ弱の斤量(約55.7キロ)が影響するわけがない。それはコイウタに失礼な話だ。むしろ、主催者側に不信感を抱く心境になったことが大きい。
 昨年までは「アゴアシつき」の招待レースだった。しかし、今年は金銭面での負担はもちろん、日本馬に対して厳しい管理態勢を敷いた。馬房の前には必ず主催者側の監視員が24時間、見張っていた。馬に触る人がいると、必ずビデオで撮影する。陣営には気が休まる時間がなかった。
 角居師が「シーザリオで遠征したときはもっとのんびりしていた」と奥平師に話していた。昨年まではレースの格を上げるため、日本馬の遠征を大々的に歓迎した。その結果、日本馬はアメリカンオークスで3年連続連対(1勝2着2回)、第1回キャッシュコールマイルダンスインザムードが制した。しかし、今年は完全アウェイムードが漂っていた。(明日に続く)
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