『辻調教専門学校』解説〜厩舎分析編〜

sanzo20043212015-08-22

8月31日にAmazonで 『辻調教専門学校〜調教で厩舎攻略する料理法』主婦の友社)が発売になる。
(一般書店は9月上旬から)

先ほど、自宅に届いたA5版の初刷本を手に取った。
今回は調教のキホン、厩舎分析(美浦栗東)、JRAGIレースの調教分析、各種コラムを一人で書き上げている。
産みの苦しみがあるからこそ、本が出来上がったときの感動はひとしおだ。

メインになるのは美浦50厩舎、栗東50厩舎、計100厩舎の最新の調教方法を掲載した「厩舎分析」コーナー。
実績豊富な老舗厩舎はもちろんのこと、最新の調教トレンドを導入している若手厩舎をピックアップ。
そのため、栗東では来年2月一杯で定年になる松田博資橋口弘次郎厩舎を外して、池添学中内田充正高橋亮、浜田多実雄など次代の競馬界を担う精鋭厩舎を取り上げている。
厩舎分析コーナーで取り上げなかった残りの93厩舎に関しては巻末に過去3年分の調教データを載せている。

前著『パーフェクト調教事典2013-2014』との大きな違いは、調教分析ソフト『競馬道調教マスター』を活用し、過去の調教データに基づいた数値分析が可能になったことだ。

厩舎分析コーナーで書いている各厩舎の主要調教コースの「好走時計」は太字で強調。
『競馬道調教マスター』で分析した即戦力で使える「好走調教パターン」も随時掲載。
直前の追い切り時計を見れば、各厩舎の「好走調教」がひと目でわかるように工夫している。

「条件別調教データ」は調教コース、脚色、併せ調教、調教騎乗者別成績を過去3年分載せている(1ページの場合、過去2年分)。
各年度ごとに掲載しているのは、調教方法の変化を感じ取って欲しいからだ。

例えば、美浦堀宣行厩舎の調教騎乗者別成績で戸崎圭太騎手を調べると、2013年35回(4勝、勝率11%)、2014年24回(4勝、勝率17%)、2015年2回(1勝)と今年の追い切り騎乗数が激減している(2015年は7月5日までの数値)。
確かに戸崎騎手は堀厩舎の「一番乗り」では追い切りではなく、坂路で軽めのキャンターを担当していたが、最近は調教すら乗らなくなった。
戸崎騎手の堀厩舎のレース騎乗自体が15年6月21日のユニコーンS以来、2ヶ月間ないのも関係があるのだろう。
「調教の機微」を読み解くことで調教欄の行間に書いていない部分が見えてくるはずだ。