3月5日(火)広島対巨人のオープン戦1回戦。
フリーエージェント(FA)権を行使して、
担当記者との囲み取材でFA移籍を発表した丸に対して、
カープファンは心の整理ができず、悲しみ、寂しさ、怒りを抱えていた。
平日デーゲームのオープン戦にも関わらず、
マツダスタジアムには2万2572人の大観衆が集まった。
「巨人の丸」が初めて打席に立ったときに、
カープファンがどんな反応を見せるのか、注目した。
打席に立った丸へのカープファンからの暖かい拍手に、正直驚いた。
2014年、巨人にFA移籍した大竹寛への言葉も発しないサイレントブーイング。
怒りか、無視か。
どちらかを予想していたが、カープファンの成熟度に心が震えた。
カープ先発の床田寛樹に更に大きな声援を送る。
昨年まで丸と一緒にプレーしていたカープナインも、
カープファンに誇りを感じたはずだ。
先発床田は丸から空振り三振を奪い、大歓声を浴びた。
続く坂本勇人が見逃し三振したときに、
悔しそうな表情を浮かべたのが印象的だった。
巨人は2017年から2018年までマツダスタジアムで13連敗を喫した。
オープン戦の段階から、主力の巨人選手に苦手意識を植え付けるのは効果がある。
丸佳浩は左腕の床田、飯田から2三振。
3回裏ツーアウト2塁の場面では、
床田は際どい所を攻めて丸に四球。
続く坂本を2打席連続三振に打ち取り、
ピンチを脱した。
捕手・曾澤翼が冷静な状況判断で、丸の打力を封じ込めた。
打者・曾澤翼は先発山口俊から3回裏に決勝ツーランを放ち、チームを勝利に導いた。
昨年の山口俊との対戦成績は4打数2安打1打点、1四球3死球。
2012年8月2日に曾澤は山口俊に顔面に死球を受け、鼻骨骨折。
昨年5月1日の対戦でも2打席連続死球を受けていた。
オープン戦でインコースに厳しい球はないと読み切り、
真ん中高めのストレートをライトスタンドに運んだ。
巨人の2番手先発の山口俊に嫌な印象を与えたのはシーズンにつながる。
カープにとっては、
大事な初戦をカープファンの声援に後押しされて、
家族一丸で勝った。
丸の移籍を受け入れたカープファンの対応により、
カープナインとの絆がより一層深まった。
たかがオープン戦。されどオープン戦。
大きな意味がある1勝だ。