王者の苦悩!辻三蔵の「ウィークエンダー
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「速い時計を出すことが調教ではないんですよ」
 ゴスホークケンニュージーランドT)を管理する斎藤誠師は毅然と言い放った。2月14日に帰厩して以来、ゴスホークケンは意図的に速い時計を出していない。その理由を師は「まだ、馬が子供なのでオンとオフの切り替えが上手くない。追い切りでもスイッチがオンになると、一生懸命走りすぎてしまう。だから、調教で我慢させることを教えているんですよ」と話す。確かに2歳時は坂路を登ったときに気難しさを見せていたが、「直人(伊藤直人騎手)が我慢することを教えてくれたおかげです」と話すように、落ち着いて走れるようになった。
 中間は速い時計を出していないが、連日、坂路とコースで「15−15」*1を丹念に乗り込んでいる。「ゴスホークケンは気が小さい面があります。しかも、体質が強くないのでスピードに体がついてこない。心身のバランスを整えるために、ジックリ乗っています。例えば、角馬場でハッキング(ゆっくりとしたキャンター)を6周するとします。サラブレットは本能的に速く走りたい動物なので、ゆっくり全身を使って走らせることでも忍耐力がつきます。我慢して走らせることで精神的に強くなるんです。中身に関しても「15−15」を毎日、乗るだけでもかなりの運動量になります。仕上がりに関しては100%の状態で出走できます」と力を込める。
 先週は思わぬ誤算*2があったが、「1週前で良かった。スタッフが頑張って、立て直してくれた」と話すように最終追い切りで素晴らしい動きを見せた。伊藤直人騎手を背に坂路をゆっくり登ると、南ウッドコースへ。全身を使った、躍動感溢れるフットワークでゴールを駆け抜けた。「速い時計を出せるところを見せたかった」と話すように、5F63秒7(1F12秒0)は1番時計だ。「肩の可動域が広がった効果で、フットワークが大きくなった。更にパワーアップしてますよ」と胸を張る。
 ちなみに今週から診療所の要請を受けて、ゴスホークケンは心拍数を測るバーコードを載せている。GPS機能がついているので、コースの追い切りでも調教時計(参考5F63秒4〜1F11秒5)を計時することができる。「ダービーの頃までつける予定ですが、気持ちの面で新たな発見をすることもあります。コースの追い切りで自動計測されるのも一つの目安として参考になります」と話す。
 「あとはジョッキーが馬の気持ちに添って乗ってくれるかどうか。カツハルさん(田中勝春騎手)は馬の行く気を宥めて乗っていたし、朝日杯で騎乗した勝浦は気が小さい面を考慮した乗り方でした。だから、最内枠で揉まれるのを嫌い、ハナを切ったのでしょう。馬の気持ちを考えて乗っていたし、マイペースで走れたから速い流れ(前半5F58秒3)でも勝つことができました。怖いのは引っ掛けられてガツンと前に行ってしまうこと。それでも今回は勝てると思いますが、今まで教えてきたことをやり直すことになります。次に繋がる競馬をして欲しいですね」と切実に話す。「チーム斎藤」が将来を見据えて、仕上げたゴスホークケン。先週の調教ではチグハグな面があった内田博騎手だが、斎藤誠師は「一緒に馬を作っていきたい」と期待をかける。ジョッキーには結果と共に、内容も問われる一戦だ。
辻三蔵の「お仕事」
(連載)IPAT馬券道場ブログ(http://jra-dojo.jp/blog/index.php)今週のオススメ馬、載ってます!
    JRAHP「新馬クラシック情報」(http://www.jra.go.jp/topics/column/classic/index.html
 『日本農業新聞』日曜日付、芸能・スポーツ面で「GI予想」掲載中!
 「穴党OnLine」(http://anatou.com/)コラム:元気はつらつ!辻三蔵の大穴☆ホームラン!東西メインレース予想しています。
(雑誌)『優駿』4月号「皐月賞桜花賞プレビュー」(ストロングポイントを探せ、ステップレース分析を担当)
    『サラブレ』5月号 「皐月賞展望」マイネルチャールズスマイルジャック関係者インタビュー。
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*1:1Fを15秒台で走ること。心肺機能を鍛える基本速度

*2:http://d.hatena.ne.jp/sanzo2004321/20080408