強運の男

 繁忙期に入り、自宅と仕事場(美浦、競馬場、グリーンチャンネル)を往来する日々である。
 本格的に『パーフェクト調教事典』の続編にも取り組まないといけないので、出仕事がないときは自宅に缶詰状態。時間があれば原稿に取りかかっているが、もっぱらテレビに流れているのはJ SPORTSのWBC中継である。カープ侍JAPANの強化試合を見るためにJ SPORTSに加入した甲斐があった。日本、オランダが所属するPool1はもちろん、プエルトリコで行われたPool C、アメリカ、イタリアが第2ラウンド進出を決めたPoolDも時間が合う限り、観戦している。
 昨日のオランダ対キューバの敗者復活戦を見て思ったのは「監督が動いたチームは負ける」「監督が目立ったチームは負ける」「選手が監督の顔色を伺うチームは負ける」ということだ。その点、侍JAPAN山本浩二監督は選手を叱責するような余計なことは一切言わない。選手を信頼してどっしりと構えている。ヒーローインタビューでも必ず選手を讃えて、応援していたファンに感謝の気持ちを伝えている。そして、選手はチームの勝利のために全力を尽くしている。イチローJAPANでも原JAPANでもない。「侍JAPAN」としてチーム一丸で戦っている姿勢が土壇場での粘り腰や起死回生の逆転劇に繋がっているのだろう。
 あとは「相性の悪さは付いて回る(オランダは対キューバ戦5連勝)」こと。日本にとって、前回の試合で7回コールド勝ちを収めたオランダと順位決定戦を戦い、一緒に決勝トーナメントに進むのは朗報だ。宿敵韓国、強敵キューバは予選で敗れ去った。やはり、山本浩二は強運の男だ。