先週日曜日は今期最高の2万3698人(前年比112・8%)が来場した福島競馬場。しかし、事件は最終レースに起こった!辻三蔵の「ウィークエンダー。ユタカ人気に浮かれている場合じゃない!
人気ブログランキングにお願いします。ありがとうございます。
 ユタカのウイニングランの後、行われた福島12R尾瀬特別。5番人気フレンドリースピカはスタート直後に他馬に挟まれて「落馬寸前」(鞍上談)の不利。結局、後方に置かれたまま、10着に終わったが、当然、審議のランプがついた。レース後、「フレンドリースピカ、キャンディットの進路が狭くなった」ことに対しての審議が行われた。
 2着タイキシルバーに騎乗していた武豊騎手も裁決室に呼ばれて、審議は10分以上かかったが、結局、「被害馬、加害馬なし」で決着。グリーンチャンネルでパトロールビデオが流れたときにはキャスターの松岡さんが「笑っちゃいけないんですけど、(フレンドリースピカは)サンドイッチ状態ですね」と言っていたように不利があったのは明らかだった。
 ただ、アタシがこれだけこだわるのはフレンドリースピカから馬券を買っていたかもしれない。確かに『馬』紙上、グリーンチャンネルでも推奨馬に挙げた。それぐらい、勝負していた。しかし、馬券は自己責任。どんな経緯があれ、馬券を買った自分が悪いと思っているので不利を受けたことに関しては仕方がないと割り切っている。しかし、納得できないのは不利を受けた被害馬がいるのに「加害馬がいない」ことだ。
 勝浦騎手の6番ケイエスストロング(3着)が外に斜行し、7番フレンドリースピカが進路を塞がれて、武豊騎手の8番タイキシルバーと接触した。ただ、武豊タイキシルバーはまっすぐ走っていたが、隣にいた9番サクラブライアン(吉田豊)に前に入られたため、内に押し込められる形になった。だから、フレンドリーと接触した直接的原因ではない。むしろ、「被害馬」だ。しかし、ケイエスストロングはパトロールビデオを見る限り、外に斜行して、隣にいたフレンドリーの進路を妨害した。行き場がなくなったフレンドリーは内に寄ってきたタイキシルバーと接触し、弾かれて、後ろのいたキャンディットとぶつかった。
 にも関わらず、制裁は「タイキエンデバーの丹内騎手は発走後に外側に斜行、戒告」しかない。丹内騎手がケイエスストロングを圧迫するほど、外側に斜行したかというと、そんなことはない。少なくとも、新潟直線1000mで内枠の馬が強引に外ラチめがけて飛び込んで行く方が危険だ。
 丹内騎手タイキエンデバーの斜行がフレンドリースピカの不利の直接的原因ではないのはわかった。しかし、テレビで見てもわかる落馬寸前の不利を受けた馬がいるにも関わらず、「被害馬、加害馬なし」で決着してはいけない。もし、そうならキチンと説明する義務がある。
 パトロールビデオはグリーンチャンネル、場内でも流すが、リプレイを含めて2回しか見られない。正直、ちらっと見ただけでは状況を把握するのは難しい。もし、パッと見た人はフレンドリースピカが隣にいた武豊騎手のタイキシルバーと接触した場面しか目に入らないはずだ。武豊騎手は2着だった。もちろん、武豊騎手はパトロールビデオを何度も見ると、「被害者」なことはわかるが、疑われる位置にいたのは間違いない。キチンと状況を説明しないと、武豊騎手には制裁が「甘い」と思われても仕方がない。
 最近は制裁の基準が厳しくなった。松岡、石橋脩、丹内、津村と若手騎手が強引な進路を取ると、厳格に制裁を課した。レース中の事故は命に関わるだけにそれは正しい。だからこそ、今回、「何もなかった」ことにしたのは残念だ。少なくともフレンドリースピカを買っていた人間は「失望」したはずだ。 
●お読みになった方は→人気ブログランキングへお願いします。ありがとうございました。