武士の一分!辻三蔵の「ウィークエンダー有馬記念(中山日曜9R)を斬る!
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 感動をありがとう!ディープインパクト。金曜日に中山競馬場ではディープインパクト引退式のリハーサルが行われていたという。昨年もタップダンスシチー有馬記念後、引退式をしたが、リハーサルはなかった。大団円に向けて、着々と準備は進んでいる。
 しかし、アンタッチャブルな存在だった昨年の有馬記念とは状況が違う。今年は「ディープを負かしに行く」強い気持ちを持った馬が出走している。ディープが敗れた有馬記念(2着)、凱旋門賞(3着失格)で先着していた馬には外国人ジョッキー(ルメール、バスキエ)が騎乗していた。彼らにはディープと武豊に対する畏怖感がなかった。だからこそ、ディープを負かしに行った。戦う前から恐れていては勝てる訳がない。ディープに勝つためには「断固たる決意」が必要だ。
 「勝ちに行く競馬をする」トウショウナイトを管理する保田調教師の言葉は実に力強かった。「アルゼンチン共和国は直線で早めに抜け出してアイポッパーの追撃を振り切った。今回も直線入り口で先頭に立つイメージで乗ってもらうつもりだ。3Fの瞬発力勝負ではディープに敵わないが、この馬は半マイルから長くいい脚が使える。あとはディープに対して、どれだけセーフティリードが奪えるかだね」と真っ向勝負を挑む。
 確かにディープにも付け込む隙はある。ディープは中山で行われた3戦で上がり3F34秒を切ったことがない。小回りの中山では手前の替え方がスムーズではなく、エンジンのかかりが遅い。昨年の有馬記念でも早めに動きながら上がり3F34秒5しか使えなかった。
 「ナイトは切れる印象はないけど、京都大賞典では上がり3F33秒1を駆使しているように、良馬場なら上がり3F34秒前半の脚を使える。もし、ディープと直線で5馬身差あれば、ディープは上がり3F33秒前半の脚を使わなければいけない。そうなれば、ナイトにも勝機はある」と保田師は勝算ありと睨んでいる。
 ディープは凱旋門賞ジャパンカップと目一杯の競馬をしている。国内で勝負付けが済んだ相手と対戦していたときは疲労が残らなかった。しかし、ジャパンカップでは436キロとギリギリの体つきだった。ピークに二度、仕上げた反動は必ず出る。中3週では疲労の回復に専念するのがやっと。とてもじゃないが、「生涯最高」のデキとはいえまい。
 ジャパンカップは「ディープが飛んだ」というよりも相手が飛ばなかった。ハーツクライノド鳴り、欧州年度代表馬ウィジャボードはピークが過ぎていた。少頭数に加えて、Sペースだったこともあり、勝ち時計、上がり3F共に(2分25秒1、3F33秒5)は日本ダービー(2分23秒3、3F33秒4)より遥かに遅い。Sペースの瞬発力勝負になれば、ディープより速い脚を使う馬はいない。凱旋門賞では後ろにいた馬に差されたが、日本の高速馬場ではディープに敵う馬はいなかった。
 しかし、今回はアドマイヤメインが大逃げして、ダイワメジャーコスモバルクメイショウサムソンが追いかける。デルタブルースポップロックの角居勢も早めに動く。ジャパンカップのようにSペースになることはない。ディープが国内で初めて体験する持久力勝負になる。
 4コーナーから一気にマクるトウショウナイトにとってもタフなメンバーが揃った。しかし、それは上記の先行馬が本調子だったときの場合。アドマイヤメインは香港遠征後、疲労回復に専念したせいか、全体的に体が緩い。香港ヴァーズから中1週。9頭立てでハナを切って、ブービー負けした馬が一変するとは思えない。ノド鳴りを抱えるダイワメジャーはさすがに距離が長い。2000mまでは力で押し切れたが、2500mではノドに負担がかかる。しかもメジャーは先頭に立てばしぶといが、外から被されたら脆い。トウショウナイトが一気にマクリ切ってしまえば、差し返す脚はない。コスモバルクメイショウサムソンは鞍上に疑問が残る。コスモバルク五十嵐冬樹騎手は道営競馬が閉幕して実戦勘に不安がある。サムソンの石橋守騎手は自信を喪失している。皐月賞、ダービーを勝ったときの思い切った騎乗が見られない。デルタブルースポップロックの角居勢は豪州遠征の反動だけ。ただ、体調維持に努める調整過程を見ると、正直、9割位の仕上がりだろう。先行馬のデキが落ちているのはナイトには好都合だ。直線で先頭に立ってしまえば、先行馬に差し返す余力はない。予想以上にセーフティリードが奪えるはずだ。
 国内外のG1を戦い抜いたライバルと比べて、トウショウナイト有馬記念を目標にピークに仕上げた。今週の追い切りでは体全体を使ったダイナミックなフットワークを披露。特に首をグイッと下げて闘志を漲らせていたように気合が乗ってきた。武士沢騎手も「荒々しさが出てきて、いい頃の雰囲気が出てきた」と手応えを感じている。もちろん、保田師も「骨折前の勢いがある頃と比べられるけど、精神力、馬体の気配は今の方がいい。心身共に大きく成長している」と自信を持っている。
 最後に保田師は「映画の『武士の一分』じゃないけど、ブシ(武士沢騎手)には勝ちに行く競馬をするように言った。ジャパンカップを見る限り、ディープには以前ほど、圧倒的な強さはない。今回はディープと戦える最初で最後の大舞台。ディープに一泡吹かせる自信はあるよ」と断固たる決意を語っていた。トウショウナイトは生涯最高の状態で有馬記念に挑む。『武士の一分』を見せるときがきた。
 相手はトウショウナイトが先行馬を全て潰すと見ているので当然、差し馬。面白いのは横山典スウィフトカレント。リーディング奪取に向けて、気力、体力共に充実しているノリさん。一発狙っている。
[有馬記念予想]
トウショウナイト
ディープインパクト
スウィフトカレント
ポップロック
ドリームパスポート
スイープトウショウ
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