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　祝！開幕戦勝利！辻三蔵の「ウィークエンダー」。
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　広島カープ、祝！開幕戦勝利！優勝候補筆頭の巨人相手に会心の勝利を収めた。それにしても素晴らしい野球だった。
　１回表、赤松が７球、東出が６球粘って、グライシンガーを苦しめる。東出がセンター前ヒットを打つと、今度は一塁上でグライシンガーを揺さぶる。牽制球を３球続けて投げるグライシンガーは明らかに気にしている。３番梵は三振したが、東出が盗塁を決める。
　そして、４番の栗原だ。ツーアウトランナーニ塁。外角一辺倒の巨人バッテリーの攻めに逆らわず、右中間に弾き返した。一塁上で栗原が３塁ベンチに向かって、大きくガッツポーズしたときに、心が震えた。チームに勇気を与える大きなヒットだった。栗原自身も今シーズン最初の打席で最高の結果を出せた。昨年はシーズン序盤、チャンスで打てずに苦しんだ。この一打で今年はやれると大きな自信を持っただろう。
　しびれたのは４回表の攻撃だ。３回裏にルイスが小笠原、ラミレスに連続被弾。カープファンには長年、染み付いた「負け癖」がついている。まさかの展開に、カープファンの中には「今年もか…」と思った人もいるだろう。
　しかし、４回表、先頭打者の栗原がヒットを打って、流れを引き戻す。「今年のカープは違う」４番の一打がまたもや、カープファンを勇気付けた。勢いに乗って５番シーボルが同点ホームランを放つと、６番嶋もしぶとく繋ぐ。７番石原、８番天谷が度重なるエンドランでグライシンガーを更に揺さぶる。ワンアウトランナー１、２塁。９番ルイスが初球にバントを決めた場面では明らかに集中力を失っていた。１番赤松、２番東出もジックリ球を見極めて、失投を逃さなかった。綺麗なヒットではなかったが、しぶとくセンター前に弾き返していた。
　グライシンガーの調子は悪くなかった。６失点してもノックアウトされた感じはなかっただろう。しかし、投手の調子が良くても、打席で球数を投げさせて、ランナーに出れば、足で揺さぶる。投手の集中力を削ぐことでチャンスは生まれてくる。次の打者に繋げる意識の高さがグライシンガー攻略に繋がった。ファンが見たかったカープ黄金時代の野球だ。
　５回裏以降はルイスが試合を作り、７回からはシュルツ、横山、永川の盤石のリレーで反撃の糸口も与えなかった。巨人の重量打線を沈黙させた。
それにしても昨年、序盤戦で不振だった栗原、シーボルが打ち、後半戦、怪我で戦列を離れた横山が復活を果たした。今シーズンに希望が持てる最高の勝利だ。決して144分の１とは言わせない。そのためにも、今日の試合も絶対に勝つ！
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