「先頭打者ホームラン」辻三蔵の「ウィークエンダー
 「あそこまで伸びてきたのだからユタカ(吉田豊騎手)も余計、悔しかったのだろう」大久保洋調教師が先週のスプリンターズSを振り返った。私が本命に推したサンカルロ(7番人気)は直線入り口で最内を狙ったが、内に斜行したダッシャーゴーゴーに進路を塞がれて万事窮す。それでも体勢を立て直して懸命に追い上げると、4位入線を果たした。審議の結果、2位入線のダッシャーゴーゴーサンカルロの進路を妨害したとして、4着に降着。3位入線のキンシャサノキセキが2着に、4位入線のサンカルロは3着に繰り上がった。
 「川田(ダッシャーゴーゴー騎乗)は一旦外に出してから内に戻ってきた。ウチの馬(サンカルロ)も体が半分入っていたし、(降着は)仕方ないな。あの不利がなければ、勝っていたか?欲目で言えば、そうかもしれんな」大久保洋調教師は淡々と話す。確かにゴール前の末脚は「不利さえなければ」と思わせる勢いがあった。吉田豊騎手が最後まで必死に追ったことで、激しい4位争い(クビ、アタマ、クビ差)を制したのも価値がある。もちろん、日本勢で唯一頭、ウルトラファンタジーに肉薄したダッシャーゴーゴーの健闘も讃えたい。
 結果的には「勝負に負けて予想が当たった」形になったが、グリーンチャンネル『KEIBAコンシェルジュ』で推奨した3連複△-○-◎50,860円が15点で的中した。3連単辻式(サンカルロ3着付け)はウルトラファンタジーを1着付けしなかったので外れた。やはり、皆が競ると思ったときは意外と流れが落ち着くのは競馬では良くあること。ローレルゲレイロを見切っていれば、ウルトラファンタジーの1着付けもできたはずだ。番組で「行き切ったときの逃げ馬は怖い」と話した通りの結果になっただけに悔やまれる。
 まあ、何はともあれ、秋最初のG1が当たってホッとしている。今日10月9日発売の『週刊現代』10月23日号から秋のG1連載「馬よ、来い」が始まる。いつまでも最近のG1の大当たりが昨年のエリザベス女王杯(11番人気1着◎クィーンスプマンテ)では情けない。同コーナーでは『KEIBAコンシェルジュ』秘書でおなじみの山本潤さんと対談しているのでこちらもお楽しみに。
 4週連続出演していた『KEIBAコンシェルジュ』も今週から3週間、お休み。その間は『穴党On Line』はもちろん、関東重賞予想は『日本経済新聞』金曜夕刊、G1予想は『日本農業新聞』日曜朝刊をご覧ください。私の中で今年のプロ野球は既に終わっているが、秋競馬は始まったばかり。形はどうあれ、スプリンターズSは今後のG1予想に弾みをつける先頭打者ホームランになったな。