『パーフェクト調教事典2013-2014』発売!

 私が監修、執筆を務めた『パーフェクト調教事典2013-2014』が4月23日に自由国民社から発売された。
 前作の『パーフェクト調教事典』(2011年9月発売)が「調教の基本」から説明した入門書だったが、今作は馬券に即役立つ実践的参考書である。
 一番力を入れたのは「調教攻略〜厩舎編」だ。取り上げる厩舎数を美浦26、栗東30厩舎から美浦50、栗東50厩舎と大幅に増やした。美浦の解説文は『ホースニュース馬』調教班時代から美浦トレセンで16年間調教を見ている辻三蔵と、『競馬エイト栗東支局で35年間調教班を勤め上げた後、現在はフリーで活躍している川田重幸氏が担当している。
 調教方法の解説文では前作で紹介した厩舎に関しては最新の情報を取り入れて、原稿を書いている。例えば、前作で「ポリトラックコース調教のパイオニア」と書いた田村康厩舎は昨年秋から本格的にウッドコース主体の調教方法に切り換えた。調教量を増やしたことで今年12勝中9勝を持久力が要求される中山コースで挙げており、関東リーディング3位に躍進する原動力になっている(4月21日現在)。
 条件別パーフェクトDATAでは従来のコース別データに加えて、主要調教コースの追い切り時計(コースは4F、坂路は3F)、ラスト1Fのタイム別成績を導入した。前作を読んだ現場の調教師から要望があった実戦に即したデータであり、勝率が高い調教タイムにアンダーラインを引いておけば、各厩舎の勝負調教が一目でわかるようになる。
 騎乗者別データも前作(騎手、調教助手、調教師)からより詳細になり、騎乗者名を出走数順に記載するようになった。例えば、鈴木康厩舎では横山典騎手が調教をつけた場合は勝率21.4%、連対率42.9%の好成績を収めている。騎乗数は14鞍と少ないことを考えれば、追い切りに乗ったときは勝負と見ていいだろう。
 「第3章調教攻略〜G1レース編」もより実践的になった。G1連対馬の前走調教、直前追い切りを掲載することで、勝負気配の見極めができるようになった。調教コース別成績も詳細に載せており、各G1に適合した調教方法を分析できる。
 「第4章馬券に直結!調教データ編」では前作で好評だった『競馬ブック』の調教短評データ最新版を掲載。そして、12年1回中山から13年1回中京開催までの、芝、ダート距離別に区分した開催毎の「調教コース」データも記載されている。同じ競馬場でも季節が変わる毎に、相性がいい調教コースが変わっていく。開催替わりに読むことで、馬券に直結する適切な調教方法がいち早く掴める。
 今作を読めば、競馬新聞の調教欄を見ただけで、厩舎の勝負気配を読み解くことができるはずだ。読者の皆様の馬券作戦のお役に立てれば、幸いである。