「感」

 12月27日(土)のグリーンチャンネル『KEIBAコンシェルジュ』で今年の「漢字1文字」は「増」*1と発表したが、今、聞かれれば、広島東洋カープに復帰した黒田博樹に対する「感謝」「感激」「感動」の「感」に尽きる。
 「今の僕があるのはカープのおかげ。日本に帰るならカープしかない。復帰するときはバリバリやっているときに帰りたい」
 07年オフ、黒田がメジャーリーグ移籍後に発した言葉だ。有言実行。黒田は今年、メジャーリーグでは日本人初の5年連続二桁勝利を達成。サンディエゴ・パドレスが年俸1800万ドル(約21億円)を提示するなど、複数球団が争奪戦を演じていたが、巨額オファーを蹴って、カープを選んだ。
 黒田はいつか帰ってくる。一途に信じていた。黒田への思いは現実になった。カープファンにとって、これほど嬉しいことはない。
 黒田の復帰はエース前田健太の刺激になり、安心感を与える存在になる。黒田を知らない世代の大瀬良、野村、福井、九里、一岡、中田、中崎など若いピッチャーには本物のメジャーリーガーの練習姿勢に接するだけでも勉強になるだろう。
 黒田と一緒に低迷期を過ごした倉、石原、栗原、東出、永川、梵のベテラン選手も復活に向けて闘志を燃やすはずだ。
 黒田の復帰により、チーム全体が活性化し、意識向上の相乗効果が生まれる。黒田が広島に入団した97年から今日まで「カープは来年優勝できる」と自信を持って言えるのは初めてではないか。
 黒田がいなくなった7年間はカープファンにとって艱難辛苦の日々だった。苦しい時期もカープを応援していて本当に良かった。黒田の復帰はカープファンに「勇気」と「誇り」を与えてくれた。ありがとう、黒田。感謝の思いで一杯だ。

*1:私が監修した「競馬道・調教マスター」のデータ分析により、調教予想の説得力が増したという意味