恋空!辻三蔵の「ウィークエンダーマイルCS最終診断!
人気blogランキングへお願いします。
 富士Sでコイウタは8着に敗れた。しかし、奥平師は全く悲観していなかった。「隼人(吉田隼人騎手)はレース後、追ってから意外と伸びなかったと話していたが、溜めてもあんなものだよと言った。それでもコンマ3秒差と着順ほど、負けてはいない。牡馬相手に斤量(56キロ)も背負っていたし、悲観することはない。ビュッと切れる脚はないが、先行しても長くいい脚が使えるのが強み。今回はヴィクトリアマイルのように積極的に競馬させる」と話していた。確かにオーロカップ、ダービー卿CTでは追い込んで2着しているが、ヴィクトリアマイル、クイーンCを勝ったときはいずれも「好位抜け出し」。「正攻法」こそが必勝パターンだ。
 今回は1枠1番と絶好枠を引いた。今週からCコースに替わり、荒れた内側は仮柵で保護されている。先週まで伸びていた真ん中辺りが内ラチ沿いになる。馬場のいい内側をロスなく回ることができる。厩舎に訪れた吉田隼人騎手に話を聞くと、「今回は好位5、6番手につけるつもりです。馬群の内で脚を溜めながら、直線ではバラけたところを一気に抜け出すイメージで乗ります。一発、狙ってますよ」と闘志を燃やしている。
 問題は牡馬相手のG1で力が足りるかどうか。ヴィクトリアマイルの勝ち時計1分32秒5は安田記念(1着ダイワメジャー)とわずか0秒2差。先週のエリザベス女王杯ヴィクトリアマイル組が2〜7着を独占している。カワカミプリンセスフサイチパンドラといったG1馬4頭が揃っていたヴィクトリアマイル安田記念と比べてもハイレベルな一戦だった。安田記念より落ちるこのメンバーなら力は通用する。
 後は1番人気ダイワメジャーの状態次第。逃げ馬不在のこのメンバーなら、安藤勝騎手はハナを奪うはずだ。1番人気の本命馬が逃げれば、後続はむやみに動けない。先週のエリザベス女王杯と同じだ。しかし、瞬発力勝負になるスローペースにはしない。差し馬の切れ味を削ぐために、淀みない流れに持ち込む。目安は前半5F58秒前半。安藤さんにとって都合がいい、先行勢に有利なペースにするはずだ。
 ヴィクトリアマイルアサヒライジングが逃げたときが前半5F58秒2。コイウタは好位6番手から、上がり3F33秒4の末脚で一気に突き抜けた。持久力勝負なら、好位から長くいい脚が使えるコイウタに流れは向く。
 結果如何では引退レースになるダイワメジャーは中間不安説を一蹴する圧巻の追い切りを見せた。前日発売で1番人気に推されるほど、ファンの信頼は取り戻したが、天皇賞(秋)マイルCSを連勝した昨年のデキにはない。関西遠征前は輸送でテンションが上がらないように控え目にしていた。ノドの調子も含めて、「やりすぎ」の感もある。前半は全盛時のスピードを見せても、ゴール前、息切れする可能性もある。ダイワメジャーを目標に競馬をするコイウタにチャンスは巡ってくる。
 奥平師は「参加させるために京都に行くわけではない。叩き3戦目でピークに仕上げられたし、状態には自信を持っている。隼人も3戦目で手の内に入れている。コイウタの5勝は全て違うジョッキーだし、隼人にも大きな勲章を取らしてやりたい。もちろん、コイウタにも最優秀古馬牝馬のチャンスがある。当然、勝利を意識している」と決意を語っていた。
 前2戦の敗因を受け止めて、秋の最大目標であるマイルCSを無事に迎えることができる。着差の詰め方から、人気の落ち方までヴィクトリアマイルのときと酷似している。ひとつ違うのはヴィクトリアマイルの頃と違い、陣営がG1の勝ち方を知っていることだ。
 私も週末は淀に行く。ヴィクトリアマイル同様、歓喜の瞬間に立ち合いたいからだ。土曜日の京都は雲ひとつない青空が広がっていた。明日の淀は恋空に染まる。

マイルCS
コイウタ
ダイワメジャー
ピンクカメオ
マイネルシーガル
ローレルゲレイロ
△カンパニー
アグネスアーク
人気blogランキングへお願いします。ありがとうございました。