コイする金曜日!辻三蔵の「ウィークエンダーマイルCSプレビュー!
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 金曜午前10時50分、閉門間際の坂路をコイウタがひとり登ってきた。吉田隼人騎手自ら手綱を取って、最終調整を行った。気持ちの高ぶりを抑え切れない姿はヴィクトリアマイルのときと同じだ。不意のアクシデントでパニックに陥った米国遠征後、休み明け2戦はテンションを上げないように調整していた。パドックでは落ち着いていたが、反面、レースで気迫が感じられなかった。コイウタに足りなかったのは他馬に襲いかかる闘志だった。
 中間、吉田隼人騎手は2週続けて、気合を乗せる調教を試みた。先週の南ウッドコースでは直線で馬体を併せると、ギリギリまで我慢させる。残り200mを切ってから僚馬を一気に突き放した。1F12秒1と唸りを上げていたが、それ以上にゴールを過ぎてからも終い伸ばしていたのが印象的だった。今週の坂路では残り100mで気合をつける。仕掛けてから体をグイッと沈めると、1F12秒0と鋭く反応した。いずれも終い重点だが、闘争心を引き出す意図が伝わってきた。
 午前11時半、厩舎に行くと、運動を終えたコイウタは体を洗っていた。坂路での荒々しい姿とは違い、大人しくて、気持ち良さそうにしている。オンとオフの切り替えが上手くいっている証拠だ。
 担当厩務員の竹俣さんはジャッジが正確だ。いつもは辛口の竹俣さんが「体に芯が入って、今、本当に具合がいいよ」と太鼓判を押す。
 確かに今秋は成績こそ一息だが、体が一段と逞しくなっている。休み明けのスプリンターズSは不良馬場を走った疲れが心配されたが、5日後の金曜日には坂路を登っている。同じ休み明けだったスズカフェニックスが1週間、疲れが抜けず、スワンSを回避したのとは対象的だ。
 富士S(20日)後も26日には坂路で3F43秒9を出した。2日には軽く流した感じで4F49秒2をマーク。1F12秒4と終い伸びているように、引っ掛かった訳ではない。体調がいいからこそ、楽々好時計が出る。
 奥平師も「小柳さん(調教助手)には3週前だし、軽く時計を出してもいいよと言ったが、無理せずにこれだけ速いのだから驚いた。それだけ馬が充実しているし、叩き3戦目で予定通り、ピークに仕上がった」と手応えを感じている。最近の成績は奮わないが、「参加させるために、京都に行くわけではない」と師は力強く言った。(続く)
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