誇り!辻三蔵の「ウィークエンダー
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 秋華賞から一夜、明けた。昨日の興奮がまだ残っている。小島茂之調教師のGI初勝利の瞬間に立ち会えたのは本当に嬉しい。
週中、秋華賞ブラックエンブレムに本命を打とうか、かなり迷った。先月、予想した『優駿』や『炎の十番勝負』では本命を打っている。
 しかし、水曜日の直前追い切りは正直、動かなかったし、木曜日にはプロヴィナージュの出否問題が起きていた。計り知れないプレッシャーが小島茂之師にのしかかっている。厩舎の将来を左右しかねない事態に陥った感じがした。
一度、組み立てた予想を一からやり直した。自分が納得するまで、考え尽くした。日曜日はある番組のロケで東京競馬場に行く。ファンのみなさんの前で予想をして、番組では馬券を披露することになる。自分が納得のいく予想でなければ、ファンのみなさんに自信を持って披露できない。ましてや、馬券を買うということは生き様を見せることになる。競馬人生を賭けた予想になった。
 栗東にいる小島茂之師に電話しようと思ったが、やめた。大変な時期に気を使わせたくなかった。予想で本命を打つかどうかは自分の意思で決める。それがプロの仕事をしている小島茂之師に対する礼儀だと思った。
 金曜日、IPAT馬券道場ブログ秋華賞予想を載せた。データとコース適性から紐解いて、客観性を重視した予想をした。秋華賞を勝つのにふさわしい馬はブラックエンブレムしかいないと結論した。
金曜午後、『日本農業新聞『KEIBAコンシェルジュ』に予想を送った。
 最終予想は土曜夕方に送った『穴党OnLine』「元気はつらつ!辻三蔵の大穴☆ホームラン!」だ。この予想の全文を載せたい。
「土曜午後5時現在、単勝1〜4番人気はオークス1、2、3、5着馬が占める。しかし、オークス4着の◎ブラックエンブレムが13番人気。いくら、ローズSで大敗したとはいえ、随分、人気が落ちたものだ。
  ローズSの敗因はハッキリしている。重馬場でノメッたのと、速い脚が使えないので外回りコースが向かなかったことだ。元より、小回りコースのスペシャリスト。中山芝1800mで行われたフラワーCではレッドアゲート(フローラS1着)、ムードインディゴ(ローズS2着)に完勝。差し馬が上位独占したオークス(4着)でも先行勢で唯一、掲示板に載った。小回り適性はオークス上位馬で一番だ。
  直前追い切りが動かず、評価を下げているが、道悪が下手なので、雨で濡れた馬場に脚を取られていた。それ以上に力が要る馬場で一杯に追えたのは大きな収穫。追い切りができなかった桜花賞前と比べると、心身共に逞しくなった。鞍上は今年、G1・2勝を含めて、JRA重賞11勝を挙げている岩田騎手。早い段階で岩田騎手に依頼したように、秋華賞に賭ける意気込みが伝わってくる。男・小島茂之、一世一代の大勝負だ」
 結果は1着◎ブラックエンブレム→2着▲ムードインディゴ馬連23,080円(6点)が的中した。小島茂之厩舎のプロの仕事に対して、プロの予想で応えることができた。仕事冥利に尽きる瞬間だった。馬券が当たったかどうかは番組を見て欲しい。私たちが予想に誇りを持って、馬券を買っているのがわかるだろう。
 レース後、招待席のみなさんのところに行くと、大きな拍手を頂いた。中には私の予想を参考にして馬券が当たった人もいて本当に嬉しかった。ファンのみなさんのお役に立てる予想をするのが私たちの仕事だ。ファンのみなさんに恩返しができたのもブラックエンブレムのおかげだ。
 午後6時、小島茂之調教師にお祝いの電話をした。私が祝福の言葉を伝えると、「辻さんから貰った勝守(京都・上賀茂神社のお守り)を栗東の馬房につけていました。(今回の件で)いろいろと助けて頂き、ありがとうございました」とこちらが恐縮するほどの感謝の言葉を頂いた。自分の喜びよりも、相手への感謝の言葉が出るのが小島茂之師らしい。人の気持ちを汲むことができるから、感謝の言葉が自然と出てくる。
 数多くの苦難を乗り越えたのは小島茂之師とスタッフの強い絆の賜物だ。もちろん、スタッフを信頼したオーナーと、期待に応えたジョッキーも素晴らしかった。チーム小島茂之はプロヴィナージュも3着した。結果を残さなければいけない局面で最高の結果を出した。最大の試練を乗り越えた小島茂之厩舎はこれから更に飛躍するだろう。
 小島茂之調教師、小島茂之厩舎スタッフのみなさん、GI初勝利、おめでとうございました。
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