愛が欲しい

競馬は仕事で、カープは私事である。
 今年からスポーツ専門放送局『J SPORTS 2』で「野球好きキャンプ祭り〜広島中日デイリー情報」が始まった。カープファン垂涎のキャンプ生情報を20日間連続で放映している。
 我が辻家では夕食の時間に「キャンプ祭り」を見ているが、2月4日、尾関高史氏(ザ・ギース、カープ芸人)&元テレビ新広島フリーアナウンサー原敬士氏のコンビまでカープ愛が全く感じられない番組作りだった。
 連日カープファンのゲストを呼んでおり、1日は J SPORTSで広島好きコラムを担当している森田和樹君、2日は広島県出身の俳優・載寧龍二…。2日目から人選に疑問を持ち始めたが、3日は競馬ファンには万券クイーンでおなじみ?の松中みなみ広島県出身…)。正直、この人がカープファンという話は同じ業界にいて聞いたことがない。競馬業界のカープファンと言えば、『競馬エイト』の戸田一生さん、『競馬ブック』の吉田幹太さん、『日刊競馬』の小木曽大祐さん、『勝馬』の太田謙一郎、そしてカープ愛に溢れているフリーアナウンサー津島亜由子さんだろう。せめて広島県出身なら三次生まれの戸田さんを出して欲しかった…。
 しかもオープニングではソフトバンクホークス松中信彦選手の親戚で本当はソフトバンクファンと名乗り、「今日はカープファンです」と笑って言っていた。さすがに「ベースボールエキスパート2級」「野球知識検定6級」を取得しているので普通に野球の話をしていたが、少なくともカープが大好きで仕方がないザ・ギース尾関氏ほどの「愛」は伝ってこなかった。
 大体、J SPORTS でキャンプ情報を見ているカープファンはかなりのマニアである。「J SPORTS」の1カ月の視聴料は2400円、「プロ野球セット」で契約すれば3200円になる。レギュラーシーズンも始まっていないのに、約30分のキャンプ情報を毎日見るために契約している視聴者の期待に応える番組作りをしないといけない。別に、にわかでもないファンもどきの話を聞くために視聴料を払っているわけではない。
 これなら『日テレG+』の巨人キャンプ情報(3時間放送)のように日本テレビのアナウンサーが一人で実況する形でいい。映像も映らないのに、東京のスタジオにゲストを呼ぶ必要があるのだろうか。東京のスタジオに進行役のアナウンサーを置いて、キャンプ地にいるリポーターとの掛け合いだけでいい。今の形式を続けるなら、二重音声で球場音だけのチャンネルも作って欲しい。
 一ファン、一視聴者として思うがままに書いてみたが、決して他人事ではないと感じた。中央競馬専門放送『グリーンチャンネル』で仕事をしている出演者として、視聴者の方に「競馬愛」が伝わる放送を心掛けないといけない。ときに「洋吉愛」になることもあるが、そこはご容赦ください。