調教予想の分岐点。

「一般に人間は在来の考へ方、方式にとらはれがちで、新しい視覚からものを見ることができない。
しかし、ものの考へ方を改めれば話が違ふ。
別の天地が開け、新しい勝者となる可能性が生じる」
丸谷才一『思考と生き方のためのマニュアル』より)
調教予想に本格的に取り組んでから数年経つ。
開発に携わったパソコン用調教分析ソフト『競馬道調教マスター』では2008年から調教データを集積している。

調教予想という未開の分野(先駆者は調教捜査官の井内利彰さん)を開拓し、厩舎情報に基づいた従来の固定観念を覆せるのか。

アーモンドアイの牝馬三冠がかかった今年の秋華賞は調教予想にとって分岐点となる一戦だった。
2008年以降、美浦調教馬の秋華賞成績は[0−0−0−54]。

2016年ビッシュ、2017年アエロリットは1番人気で7着以下に敗れた。
美浦トレセンで追い切った関東馬は1997年1着メジロドーベル(GI5勝)以来、20年間勝ち星がない。
関東馬の好走歴は栗東調教馬に集中。
2008年1着ブラックエンブレム、2010年1着アパパネ栗東坂路調教馬。
本来なら長距離輸送のリスクがない栗東滞在がベストだ。

アーモンドアイは美浦坂路で最終調整を行った。

2018年度、美浦坂路調教馬のJRA平地GI成績は[0−0−0−8]。

NHKマイルカップでは1番人気タワーオブロンドンが12着大敗。
最近の美浦坂路は馬場状態が軽くなり、速い時計が出やすくなった。
負荷が掛からない現状では1番時計を出しても鵜呑みにはできなかった。

秋華賞前日の10月13日(土)はグリーンチャンネル(BS234)『日曜レース展望KEIBAコンシェルジュ』に出演。
圧倒的1番人気のアーモンドアイは対抗。
栗東CWコースの好走調教に該当したミッキーチャームを本命にした。
調教予想のポイントはアーモンドアイ以外の美浦調教馬(関東馬)を無印にしたことだ。

メジロドーベル級の資質があるアーモンドアイはデータの壁をアッサリ乗り越えた。
しかし、その他の美浦調教馬5頭は7着以下に沈んだ。

アーモンドアイは例外中の例外で、関東馬栗東に滞在した方が良いデータは継続している。
データを絶対視することなく、仮説を立て検証し、実証することができた。


「KEIBAコンシェルジュ」で掲示した勝負馬券は3連複〇-◎-△23.6倍が2500円的中。
購入金額33,000円、払戻金額59,000円。収支+26,000円。

今回の出演では予想した6レースで本命馬が全て3着以内に入った。
来るべき大勝負に向けて、勝ち癖をつけることを重視している。
次なるターゲットは10月21日(日)菊花賞
2008年以降、美浦調教馬の菊花賞成績は[0−0−1−36](複勝率3%)。
関東馬栗東での滞在調整を行ったマンハッタンカフェ(2001年)以来、17年間優勝馬は出ていない。
調教予想家の腕の見せ所だ。