雨ニモマケズ 風ニモマケズ!辻三蔵の「ウィークエンダー
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 今年も有馬記念を無事に迎えることができる。今年ほど、競馬ができる喜びを噛み締めている日々はない。8月17日金曜日*1馬インフルエンザの影響で競馬が中止になった。19日日曜日、私は美浦トレセンの南馬場調教スタンドで採時していた。競馬開催がないため、角馬場に入る頭数は多い。しかし、速い追い切りはしない。「競馬が開催できないのに追い切りをしても無駄だ」と言う人もいる。スタンドには言い知れぬ絶望感が漂っていた。
 そんな中、堀厩舎は普段通り、3Fから上がり重点に時計を出した。調教助手、厩務員が追い切りの様子を見ながら時計を聞く光景はいつもの日曜日と同じだ。ロックドゥカンブセントライト記念を目指して、南Dコースで軽めのキャンターをこなしていた。開催に備えて、できる限りの準備をする。3頭が等間隔で走る、一糸乱れぬ縦列調教は芯の強さをが伝わってきた。
競馬は翌週、無事に開催された*2。競馬が中止になったのはわずか1週間だが、開催に備えて調整していた厩舎は軒並み、好成績を挙げている。関東では奥平(31+地方2勝)、古賀慎(33勝)、久保田(29勝)、堀(26勝)とリーディング上位厩舎に混じって、若手厩舎の大躍進が目立った。
 そして、堀厩舎のロックドゥカンブは休み明けのセントライト記念を快勝した。印象的だったのは9月7日(金)*3、台風9号が関東地方に上陸したときだ。大雨、暴風、波浪、高波警報が発令される中、美浦も嵐の真っ只中。閉門時間が2時間延長されたこともあり、開門の午前5時に馬場入りする厩舎はほとんどいなかった。しかし、堀厩舎は午前5時10分、いつも通り、坂路を登ってきた。どんな状況に置かれても普段通りの調教を貫く。縦列調教の先頭を走るロックドゥカンブを見たときに、堀師の強い意志が感じられた。
 菊花賞(3着)でロックドゥカンブは脚を余して敗れた。馬と言うよりも、ジョッキーの未熟さで負けた。しかし、堀師は騎乗に関してはあえて言及しなかった。そして目標を有馬記念に切り替えて、山元トレセンへ短期放牧。11月16日に帰厩後は時間をかけて、ジックリ調整している。いつも通り、水曜日は坂路を2本軽く登り、木曜日に南ポリトラック(P)コースで終い重点に追い切る。週末の日曜日は上がり重視の調整だ。変わったのは追い切りコースが南ポリトラックになったことだけだ。4Fから6Fに距離が延びて、終いを伸ばしている。今まで以上に負荷をかけた調教ができる。堀師の信念は変わらない。しかし、最高の状態だった菊花賞以上に最良の調整ができている。
 ジョッキーには世界の名手マイケル=キネーンを招いた。最高の仕上がりにふさわしい最高のジョッキーだ。勝利のために最善を尽くす。有馬記念に賭ける強い意志が伝わってきた。
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