ジョッキーの仕事!辻三蔵の「ウィークエンダー
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「ジョッキーは馬を速く走らせるのが仕事だが、調教助手は馬を走らせないのが仕事だ」
 先週のゴスホークケンの追い切りを見て、以前、小桧山悟調教師が話した言葉を思い出した。「追い切りをやりすぎると、レースではおつりがなくなる。特に走る馬ほど、ケイコは動く。だから、オーバーワークにならないように、気持ちを抑えていかなければならない」とスマイルジャックの調整方法について、話していた。
 先週、ゴスホークケンは内田博騎手を乗せて、追い切った。坂路で足慣らしをしてから、ウッドコースで強めの調教をする予定だった。しかし、1本目の坂路で誤算が生じた。4F64秒台の指示だったが、4F52秒4(1F13秒9)と追い切り並みの時計を出した。そのため、ウッドコースでの追い切りは終い重点の調整(4F53秒3〜1F12秒4)に変えざるを得なかった。齋藤誠調教師が「1週前で良かった」と言うのは本音だろう。
 2月14日に帰厩して以来、齋藤誠師はゴスホークケンに我慢して走らせることを教えていた。坂路では馬の後ろに入れて行く気を抑えて、ポリトラックコースでは長めからゆっくり走らせていた。やれば、動く馬だが、意図的に速い時計を出さなかった。NHKマイルC後、日本ダービーを見据えているだけに、折り合いを意識した調教だった。しかし、先週の追い切りではジョッキーが調整方法の意図を汲んでいなかった。2ヶ月かけて我慢を教えてきたスタッフの苦労を考えると、言葉が出ない。
 内田博騎手がJRAに移籍した直後、坂路でケイアイカールトンの調教をつけた。直線では内田博騎手が手綱を抑えて登ってきたが、時計は4F47秒0の坂路レコード。ケイコ駆けするとはいえ、いくら何でも速すぎだ。逃げ争いが激しかったのもあるが、レースではシンガリ負けした。5番人気という評価を考えれば、オーバーワークも応えたのだろう。結局、ケイアイカールトンはこの一戦を最後に抹消された。
 同時期に嶋田潤厩舎のジョウショーアロー(3歳500万)の追い切りをつけたときにも、南ポリトラックコースで5F61秒8を出している。3歳馬としては破格の時計だが、レースでは7着に敗れている。指示より時計が速かったことを考えれば、ケイコがキツすぎたのだろう。
 ジョッキーはレースで速く走らせることが仕事だ。それはわかっている。しかし、名手だからこそ、先週のゴスホークケンの追い切りは残念だった。 

辻三蔵の「お仕事」
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(雑誌)『優駿』4月号「皐月賞桜花賞プレビュー」(ストロングポイントを探せ、ステップレース分析を担当)
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