やってやる、やってやるぞ!

「500万以下のペースだな」と新潟記念を観戦していた岡部幸雄元ジョッキーがポツリと呟いた、辻三蔵の「重賞辻斬り」。今回は新潟記念をぶった斬り!昨年の勝ち馬スーパージーン誘導馬として登場したときにはジーンと来ました。

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 江田照男騎手の渾身のガッツポーズが印象に残った新潟記念だが、残念ながらレースの印象は薄い。逃げ馬不在という状況で、ハナを切ったのがタニノエタニティ。その光景を見た岡部氏(タニノに騎乗経験あり)が「あの馬が逃げるなんて」と驚いたように前半5F62秒2の超Sペース。引っ掛かったとはいえ、追い込み馬のフォーカルポイントが2番手につけるのだから、相当にペースが遅い。
 他馬が折り合いに四苦八苦する中、中団でジックリ脚を溜めたヤマニンアラバスタが外から一気に突き抜けて完勝。ハンデ52キロとはいえ、男馬相手に2馬身半差は立派の一言。上がり3F33秒3もすばらしいが、勝ち時計2分0秒1は改装後、最も遅いタイム。前日の古馬500万よりもコンマ3秒遅いのだからレースレベルは低い。
 ただ、ヤマニンアラバスタの充実ぶりは評価したい。前走、佐渡特別を勝った後、札幌に移動してクイーンS出走に備えたが、あえなく除外。すぐさま新潟に帰るハードスケジュールをこなしながら当日はプラス6キロ。パドックでも落ち着いていたように心身共に大きく成長した。秋はエリザベス女王杯が目標になるが、関西への長距離輸送も次回で4度目。オークス(3着)の頃よりも成長した今なら、展開次第で秋華賞(5着)以上の成績を挙げられる。Hペースの地力勝負ではキツイが、Sペースの瞬発力勝負になれば、上位台頭も可能。展開が鍵を握っている。
 
 グラスボンバーは収穫の多い2着。道中の手応えがないので、やむなく馬場の悪い内を突いたが、思った以上にしぶとい脚を使った。中間、一頓挫あったにも関わらず、苦手の新潟(6戦目にして初連対)で結果を出したのは力をつけている証拠。レースレベルは低かったが、不安材料を克服した内容は自信になる。次走はオールカマー毎日王冠の予定。ベストは毎日王冠だが、いかんせん相手が強い。一方、オールカマーは未知の距離だが、折り合いがつく今なら心配あるまい。メンバーが揃わないオールカマーならチャンスは十分だ。
 
 ヴィータローザは「追ってからの反応がいま一つ」だったが、トップハンデ(57.5キロ)の意地で3着。馬場の悪い最内を通って、最速の上がり(3F33秒2)をマークしたのだから、やはり地力がある。今回はケイコの動きが重かったように本調子手前。次走は昨年2着した朝日CCか、セントライト記念(1着)と同じ条件のオールカマーの両睨み。どちらにせよ、今回以上に走れるのは間違いない。
 
 4着アグネスシラヌイ、5着エリモマキシムはこれ以上ない展開になりながら掲示板が精一杯。正直、重賞でこれほど、チャンスに恵まれる機会は滅多にない。重賞では力不足だろう。
 
 チャクラは6着とはいえ、今後に期待が持てる内容。久々は走らないし、トップハンデ57.5キロ。しかも苦手な瞬発力勝負と悪条件は揃ったが、直線半ばで先頭に立ち、見せ場は作った。叩き良化型で調子を上げるのはこれから。目黒記念(1着)と同じ条件のアルゼンチン共和国(G2)が絶好の狙い目だ。
 
 1番人気ダイワレイダース(8着)は状態はすこぶる良かったが、折り合いを欠いてジエンド。Hペースで追っつけて追走する位が丁度いいだけに、Sペースでは折り合いが難しい。今後もペースに左右される不安がある。
 
 2番人気フォーカルポイント(10着)はいつも出遅れる馬が好スタートを切ったのがアダ。前半のペースが遅すぎて、持って行かれてしまった。こちらも流れが速くならないと、折り合いがつきにくい。Sペースでは気分良く行きすぎて末脚をなくす危険がついて回る。

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