祝!黒田博樹広島東洋カープ残留!辻三蔵の「ウィークエンダー。しかし、祝杯の前に許せないことが…。
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 今朝のスポニチの一面に踊った「黒田広島残留」の大見出し。昨日、広島市内の自宅でスポニチの取材に「(フロントと)話をする前と比べ、話をした後の方が誠意が伝わりました」とカープ愛をにじませたコメントが載っていた。中国新聞でも、信頼が置ける記事を書いているカープ番の木村雅俊記者が署名記事で「黒田残留」のニュースを載せていた。他のスポーツ紙では「黒田FA移籍」の記事で埋まっていた。
 10月27日から始まった球団側との計3度、4時間半に及ぶ話し合い。黒田に対し、フロントは「誠心誠意を込めて」(鈴木球団本部長)慰留に努めてきた。4年10億円を基本線に、出来高を加えれば最大4年12億円という球団最高額まで提示。たとえFA宣言しても金本、江藤、川口らの例と異なり、残留も初めて認める方針だった。2度目の会談ではプレーオフが導入される来季以降に話が及び、強化プランを確認した。
 ブラウン監督、松田オーナーらの説得にファンの残留を願う思いも後押しした。「最終戦の光景は目に焼き付いている」。メッセージが書かれた背番号15のビッグフラッグ、署名、嘆願書などファンの願いが、96年逆指名で入団した当時の心境を思い出させた(スポニチより抜粋)。
 黒田は去就に関しては常に言葉を選びながら誠実に応対してきた。球団の熱意を汲み取り、期限間際まで考え抜いて、FA宣言せずに広島残留を決めた。
 しかし、残念ながら一紙だけ黒田の気持ちを逆撫でするような記事を書いていた。日刊スポーツだけはシーズン終了後から「黒田は近い関係者に阪神行きの思いが強いことを明かした」という記事で一貫していた*1。しかも、その記事を受けて、黒田は「これだけ大事な決断を関係者に話す事はありえない。憶測でこんな記事を書かないで欲しい」というコメントを寄せていた。しかし、日刊スポーツはそのコメントを載せず、黒田FA移籍を前提にその後も記事を書き続けた。球団との3度目の交渉では『広島と「最後」の交渉』と大見出しで書いた。「球団の誠意は本当に伝わっています」と黒田のコメントを載せて、『FA申請期限まで何ら態度表明しないスタンスは変わらない』と書きながら、「阪神へのFA移籍が濃厚」と書いている。これは憶測としかいいようがない。今朝の記事を見ても『広島市内で取材に応じ、FA宣言する日について「現時点でははっきりしない。決まった時点で球団に伝えます」と従来のコメントを繰り返した』と共同コメントを載せている。その上で「黒田FA宣言」と書いている。共同コメントのどの部分にその根拠があるのか。
 「黒田残留」を載せたスポニチ中国新聞は署名記事で書いていた。黒田本人に直接、取材して了承を得たから記事を載せる事ができた。黒田と誠意ある取材をしていた証拠だ。「近い関係者」と名前を明かせられない人物のコメントを載せ続けた日刊スポーツは全く信頼できない。もし、本当なら書いた記者は署名で自分の名前を書き、取材相手の名前を記すべきだった。
 競馬でも「関係者のコメント」で書いてあるが、話した人間の名前がない記事がある。それは架空の記事と思っていい。逆に名前入りの関係者のコメントが載っていても書き手が不明なことがある。これも直接、取材していない可能性が高い。取材原稿を載せるには書き手は責任を持たなければいけない。そうしなければ、取材相手の名誉を傷つける事になる。共同取材はそのまま、載せればいい。勝負は後取材だ。取材相手と誠実関係であれば、真実を聞くことができる。名前を出せないということは真実ではないからだ。自分の名前を出して、記事を書くことは重い。私はこれからも責任を持って原稿を書くつもりだ。
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