悲劇のポップスター!辻三蔵の「ウィークエンダー
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天皇賞(春)の前に大久保洋師にユメノシルシの話を伺ったが、相手を見て「今年のメンバーならメイショウサムソンが抜けている」と話していた。「皐月賞、ダービーを勝つことは地力が上じゃないとできない」とクラシックを勝つことの難しさを知っている師の言葉には重みがあった。
 一方でデルタブルースに関しては「オーストラリアのGIを勝った馬は怖くはない」と言い切った。「オーストラリアは短距離戦線が主流で、長距離戦線は層が薄い。だから、国際レースでも短距離馬は通用するが、長距離馬は歯が立たない。メルボルンカップは日本と比べて、レースレベルが低い」と切り捨てた。
 確かにメルボルンカップ(芝3200m)は国際GIだが、定量戦ではなくハンデ戦で行われる。1861年に創設された歴史あるレースだが、世界に誇れるのは賞金総額が510万ドル*1、1位の賞金額が300万ドルとドバイワールドカップジャパンカップに次ぐ、高額賞金レースということだ。
 昨年のデルタブルースの勝ち時計が良馬場で3分21秒4。今年の天皇賞(春)の勝ち時計が3分14秒1。同じ良馬場で7秒以上、時計が違う。天皇賞(春)で大差シンガリ負けしたマイソールサウンドが3分21秒7なのだから、そのレベルがわかる。天皇賞(春)定量58キロだが、デルタブルースは56キロだった。そのデルタブルースに、クビ差2着のポップロックが53キロと若駒並みに軽かった。
 メルボルンカップ後、デルタブルース有馬記念6着→阪神大賞典4着→天皇賞(春)12着と精彩を欠いた。確かに昨年の勝ち星はメルボルンカップだけ。昨年の天皇賞(春)も10着と大敗した。デルタブルースをものさしにすれば、日本の長距離戦線の方がレベルが高い。
 ポップロックメルボルンカップ2着後、有馬記念2着→京都記念2着→ドバイシーマクラシック6着と健闘している。その実績が認められて、目黒記念(東京日曜12R)はトップハンデ58.5キロに抜擢された。昨年の目黒記念以来、1年間、勝っていないのに、このハンデは微妙だ。
 昨年の目黒記念(3番人気1着)が54キロ、メルボルンカップ(2着)が53キロと軽ハンデに恵まれた。有馬記念(6番人気2着)はペリエがディープの2着狙いに徹した。1番人気に推された京都記念は勝ちパターンだったが、最後はアドマイヤムーンの地力に屈した。58キロを背負っていたが、アドマイヤムーンは59キロ。自分より斤量が重い馬に決め手勝負で負けるのだから詰めが甘い。
 今回は昨年より人気になる上に、ハンデが4.5キロ重くなる。勝ち切れないタイプだけにアテにはし辛い。頼りになるのはユタカマジックだけだが…。ポップな気分じゃいられない。
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*1:日本円にして約4億4000万円