泣くな、前田健太辻三蔵の「ウィークエンダー
 泣くな、前田健太。お前は良く頑張った。だから、マウンドを降りるときに観客席から温かい拍手が送られたのだ。チームのために、カープファンのために良く投げてくれた。それはカープファンもわかっている。昨日の一試合でカープファンの信頼感が揺らぐことはない。この悔しさは必ず晴らそうじゃないか。
 野村謙二郎大野豊に告ぐ。残された仕事はこれ以上、犠牲者を出さないことだ。思えば、最初の犠牲者が永川だった。開幕3戦目、永川が抑えに失敗すると、すぐさまストッパー降格を命じた。不動の守護神のわずか3試合目での降格はシュルツ、横山の故障を招いた。第2の犠牲者が篠田だ。開幕3戦目、4回でノックアウトされると、すぐさまリリーフ降格を命じた。小松、斉藤、今井は失敗を恐れる余り、大胆な投球ができず、二軍に降格。来日したばかりのスタルツ、青木高広、ジオが中4日のハードなローテーションを強いられた。プロ初完封した青木高広が先発で一本立ちできなかったのは無理使いのせいだ。6月に復帰した大竹寛が再度故障を発症したのも首脳陣が「待てなかった」からだ。4月は好調だった高橋健も無理使いがたたり、5月に入って打ちこまれた。
 先発陣は5回持たず、リリーフ陣は崩壊。開幕3試合から投壊は始まっていた。選手を信頼していない野村謙二郎大野豊が招いた人災だ。しかも災害が起きても目の前の危機に対処もせず、傍観者を気取っていた。指揮官としての覚悟が全くなかった。
 チームの危機を一人で支えていたのが前田健太だ。前田健太を育てたのは大野豊では断じてない。エースとしての責任感が自らを奮い立たせて、成長を促した。前半戦、選手はチームのために必死に戦う姿勢を見せた。しかし、野村謙二郎大野豊に成長を我慢する覚悟がなかった。これ以上、選手を犠牲にする戦いは決して許されない。
 野村謙二郎大野豊が敗戦の理由を選手に責任転嫁する姿には吐き気がする。そんな弱いチームにしたのは誰か。野球評論家の立場に戻って考えてみたらいい。