不幸せな週末

 カープが勝つには1対0しかない。
先発が7回まで無失点に抑えて、8回ミコライオ、9回サファテの完封リレーで逃げ切る。前田健太ミコライオ、サファテを信頼しているからこそ7回無失点で降板するのを承諾するし、ミコライオ、サファテも前田健太の勝利のために奮闘する。野村謙二郎に考える余裕を与えてはいけない。
 しかし、今日は8回裏に3点取ったのが裏目だった。野村謙二郎は9回登板に向けて気持ちを高めてきたサファテを下げて、急遽肩を作った今村を登板させた。サファテを出し惜しみした結果は言うまでもない。絶対的に有利だった試合が劣勢になり、逆転負けを喫した。
 野村祐輔前田健太の両エースを立てての完封リレー。カープファンが望んでいた夢のシチュエーションだ。マツダスタジアムを赤色に染めたカープファンも最高の気分で家路についたはずだ。
 マツダスタジアム界隈の居酒屋も勝利の余韻に浸るために大繁盛したかもしれない。明日のスポーツ新聞広島版もさぞかし売れただろう。不況に喘ぐ広島経済界に活気をもたらす勝利だった。勝利の積み重ねがファンを幸せにして、選手も幸せになる。
 私も中山競馬場でパワーアップセミナーの講義を終えた後、不幸な結末を知った。仕事後の小さな幸せを奪う権利は野村謙二郎にはない。
 殺気だったスタンドから罵声を浴びる選手は不幸だ。愛する選手にやり切れない怒りをぶつけるファンはもっと不幸だ。野村謙二郎が監督をしていると皆不幸になる。
 野村謙二郎は試合後の会見を拒否したと言う。何様のつもりだ。監督なら敗戦に関する説明責任があるはずだ。私だって、イベントで予想が外れたら罵声を浴びることもある。
 しかし、文句を言われるのも仕事の内だ。そのために野村謙二郎も7,000万円の年俸を貰っているのだろう。そんなに監督が辛ければ、辞めればいい。これ以上、カープファンと選手を不幸にする筋合いはない。