恋焦がれて鯉のぼり

 「広島東洋カープは鯉のぼりの季節まで」と良く言われるが、最近は鯉のぼりの時期に楽しめることなんて全くなかった。
06年以降、3、4月の成績は以下の通り。 
(3、4月成績)      (年間成績)
06年8勝14敗   借金6  5位借金17
07年11勝15敗  借金4  5位借金22
08年10勝14敗  借金4  4位借金1
09年11勝11敗1分 5割 5位借金10
10年12勝17敗  借金5  5位借金26
11年9勝5敗2分☆貯金4  5位借金16
12年11勝13敗2分 借金1  4位借金10
13年12勝14敗1分 借金2  3位借金3
 ブラウン(06〜09年)、野村謙二郎(10〜13年)体制になってから4月に貯金をしたのは11年の1度だけ。01年(4位68勝65敗7分、勝率.511)以降、シーズン5割の壁を越えられなかった球団が4月23日の時点で貯金9(15勝6敗)を積み重ねた。8カード中7カードで勝ち越しを決めており、1点差試合は5勝0敗と勝負強さを発揮している。
 負の歴史を知らない堂林、菊池、丸の上位打線がガムシャラにチームを引っ張り、前田健太を柱にした野村祐輔、大瀬良、九里、一岡、中田廉の鉄壁の投手陣がリードを守り切る。梵、廣瀬、永川、横山のベテラン勢が脇を固めて、日本の野球に慣れたバリントンミコライオエルドレッド、キラの外国人選手が主軸を形成する。
 得点はリーグ5位の91点でも本塁打数はリーグトップタイの25。防御率セリーグでは唯一の2点台(2.87)で最小失点の72に抑えている。効果的な得点の取り方、無駄な失点を防ぐことで勝てる試合を確実にモノにしている。
 「鯉のぼりの季節」が終わった後、交流戦が始まり、最初の試練が訪れるだろう。その頃にはファームで必死に練習している栗原、東出が戻ってくるはずだ。逆境を乗り越えたチームリーダーの復帰はカープに更なる勢いを与えるだろう。
 長い間、艱難辛苦を味わってきたカープファン、カープナインに慢心はない。明日の1勝が優勝に繋がると信じて無心で戦うだけだ。