馬よ、来た!辻三蔵の「ウィークエンダー
 秋華賞から始まった『週刊現代』の秋のG1連載「馬よ、来い」。『週刊現代』の見出しには「菊花賞!ここは中穴のビッグウィークで高配当狙い!」と派手に踊っていたが、本命に打ったビッグウィーク(7番人気1着)が見事勝利。川田騎手が大仕事をやってのけた。少し長くなるが、『穴党On Line』の予想原稿を引用する。
「ビッグウィークは本番を見据えて神戸新聞杯では権利取りに徹した。だからこそ、瞬発力勝負では分が悪いのにあえてハナに立たず、3番手で我慢したのだろう。しかし、今回は本来の積極策で勝負に出る。スタミナの裏付けは小倉記念と遜色のないハイペースを早め先頭から押し切った2走前の玄海特別で証明している。2回小倉最終週にマークした勝ち時計の1分58秒3は馬場差を考えたら、前開催に行われた小倉記念の1分57秒9よりも優秀だ。持久力勝負に持ち込めば、ローズキングダムを逆転できる。神戸新聞杯は菊を勝つためにあえて負けた。大いなる野望は今週達成される」
 神戸新聞杯で打った布石が本番に繋がった。前半1000mのラップが61秒0、中盤以降も64秒5→60秒6とペースが上がらぬまま、正味ラスト3ハロンの競馬になった。2番手に付けたビッグウィークは3コーナーの坂の下りを利用してロングスパート。逃げ込みを計るコスモラピュタを直線半ばで捕まえると、ローズキングダムの追撃を振り切った。ラスト3ハロンのレースラップは11秒8→11秒9→11秒9と、11秒台のラップを持続的に刻んだ。瞬発力勝負では分が悪いのはわかっているだけに、自ら動いて持久力勝負に持ち込んだ。
 ローズキングダムにとってスローペースの瞬発力勝負は望む所だが、神戸新聞杯のイメージで前にいるビッグウィークは簡単に捕らえられると思ったのだろう。周囲にトウカイメロディ、ヒルノダムールもいたこともあり、動き出しが遅れた。川田騎手が巻いた餌に引っかかった形になった。川田騎手が綿密に練った戦略が見事に決まった。
 川田騎手の騎乗も素晴らしかったが、『週刊現代』で相方を務めている山本潤秘書も凄い。菊花賞は私と同じくビッグウィーク本命、先週の秋華賞も◎アパパネ→○アニメイトバイオを本線で当てているから2週連続G1的中である。『KEIBAコンシェルジュ』に出演以来、プレミアムプランで数々のヒットを飛ばしていたが、コンシェルジュ顔負け、いや小森純以上の的中率である。世の中には数多くの美人予想家がいるが、ヤマジュンは本物だな。