「一戦必勝」辻三蔵の「ウィークエンダー
阪神、小倉の2場開催が2週終わった。本場の阪神開催には関東馬が大挙出走し、2週間での出走数は関東馬454頭、関西馬500頭とほぼ同じ。ただ、勝利数は関東17勝(2着30回)、関西43勝(2着30回)と関西馬が優勢だが、関東馬フィリーズレビューでワンツー、先週の高松宮記念でも1〜3着を独占したように大舞台で意地を見せている。
 クラス別成績では3歳未勝利で関東馬が10勝(2着11回、勝率7.1%)、関西馬(8勝2着7回、勝率5.5%)と互角以上に戦っている。3歳未勝利の出走決定順は上位入選馬(成績対象期間中の競走で5着以内)、未出走馬、出走間隔の長い馬の順番である。先週行われた阪神開催の3歳未勝利は上位入選馬と未出走馬が出走枠を占めた。未出走馬の数が多いため、出走間隔が長い馬は半年以上休んでいても出走できないのが現状だ。
 そうなると、優先出走権を持つ上位入選馬は取りこぼしが許されない。もし、掲示板を外せば、いつ出走できるかわからないのは関東馬には切実な問題だ。関東圏の中山、福島開催が中止になり、現時点では東京での開催も決定事項ではない。小倉は馬房数が限られており、長距離輸送のリスクもある。関西馬と違って、小倉出走の選択肢がない関東馬阪神開催で勝利を決めたい気持ちは強い。関東馬は先週、2番人気で4戦4勝、単勝回収率437%と驚異的な数字を残した。勝ち負けになる関東馬は確実に勝利を収めている。いずれも関東圏なら1番人気になる実力の持ち主だが、関西圏で評価を落として、2番人気に甘んじていた。実力の裏付けがあるのに、馬券的妙味があるのは美味しい。
 出走条件がシビアになった先週の3歳未勝利では前走2〜4着馬が全7勝中7勝(2着7回、連対率31.1%)を占めた。出走馬のレベルが上がった分、前走成績が直結しており、前走5着(0/0/5/9)は3着止まり、未出走馬は53頭出走して3着以内がない。
 関東の下級条件馬は一旦京都競馬場に入厩してからレース当日、阪神競馬場に移動する。当該日に影響は出なくても、短期間での再度の輸送はレースを重ねる度に疲労が蓄積していくだろう。だからこそ、関東の3歳未勝利馬は一戦一戦が勝負になる。阪神の3歳未勝利では関東の上位入選馬を狙うのが鉄則だ。