最終戦

10月6日(月)、広島東洋カープの2014年度の公式戦が全試合終了した。
終戦で順位が決まることになり、144試合、「消化ゲームなし」で戦い抜いた。
勝つか引き分けで2位が決まる最終戦はエース前田健太が踏ん張り切れず、巨人に4対1で敗れた。
今シーズン限りで引退を表明していた横山竜士投手の登板機会も作れなかった。

結局、カープは9月以降、大事な試合で全て負けた。
今年の終盤は巨人のマジック対象チームとしてプレッシャーのかかる戦いを行い、夢敗れ去った後も阪神との2位争いを最終戦まで繰り広げた。
16年間続いたBクラス時代では味わえなかった「しびれる戦い」を短期間で経験することができた。
巨人の4番打者・阿部慎之介はセリーグ優勝の一因として「何回も優勝しているメンバーがいて、勝ち方を知っている」ことを挙げた。
しかし、カープは厳しい試合での勝ち方をまだ知らない。
後半戦12試合で2勝5敗に終わった前田健太も体験したことがなかった。
巨人、阪神との対戦で2勝5敗(10試合)。
優勝争いでライバルを圧倒する「絶対的エース」にはなれなかった。

終戦が終わった後、野村謙二郎監督が挨拶を行った。
「今日の試合、是非勝ってこのマツダ スタジアムでクライマックスシリーズファーストステージを迎えたかったのですが、残念ながらこのような形になってしまいました。申し訳ありません」
「横山をここまで応援してくださった皆さん、今日投げさせることが出来なくて本当に申し訳ありません」
今日の敗戦の責任を背負い、満員のカープファンに謝罪した。
この言葉がカープナイン、カープファンを奮い立たせたことだろう。

まだカープにはクライマックスシリーズがある。
レギュラーシーズンの悔しさを晴らす舞台は残されている。
「絶対に負けられない試合」で「勝ち方」を覚える機会はまだある。

昨年は借金3でAクラス入りしたが、今年は同じ3位でも貯金6でクライマックスシリーズを戦える。
今季の主催試合の総入場者数は、1,904,781人となり、球団最高記録を更新した。
赤の魂は死なず、必ずや甲子園球場を真っ赤に染めるはずだ。
横山が引退セレモニーで残した「カープの明るい未来」は今日から始まる。