さよなら新井

 阪神タイガース新井貴浩が4日(火)、球団事務所を訪れて自由契約を申し出た。その一報を載せた上で一部のスポーツ紙が「古巣の広島などが興味が示す可能性がある」と伝えている。
 何をか言わんである。
 07年11月8日、新井貴浩フリーエージェント権の行使を表明した。前年オフの「一生鯉宣言」からわずか1年。新井はカープを捨てた*1
 当時、黒田博樹のFA宣言を受けて「(黒田のFA宣言で)どうなるか分からなくなり、不安になった」と語った新井。
 10年連続Bクラスに低迷しているカープファン、選手、球団が将来に不安を感じている中、4番新井は真っ先に逃げ出した。
 黒田は前年に残留したときに「カープのユニフォーム相手に投げる姿が想像できない」と話して国内球団への移籍を否定して米国に渡った。
 しかし、新井は「優勝争いができるチームに入って、しびれる場面でプレーしたい」と語り、阪神球団に移籍した。
 カープを捨てた人間がカープに戻ってくる。
 そんな馬鹿げた話があるわけがない。
 「応援してくれるファンの気持ちを裏切ることになって申し訳ない。ただ喜んで出ていくのではないということを分かってほしい」と新井は話していた。
 その発言に対して、緒方孝市現監督は当時、「愛着という言葉はチームを出て行く人間は口にしてはいけない。チームに残る選択をした選手が初めて口にできるものだ」と反論していた。
 口先だけのカープ愛でカープを裏切った男をカープファン、選手、球団が許すわけがない。
 今日付けの新聞でカープの具体名を出したのは新井に近い「D紙」や「S紙」に限られている。
 しかも記事的には「古巣広島などセ、パの複数球団が獲得を検討すると見られる」あるいは「古巣の広島などが興味が示す可能性がある」と金城や相川のように「具体的な移籍先」を示唆していない。
 新井サイドから記者に球団の希望(願望)を要請したのではないかと疑われる内容だ。
 今日4日、東出輝裕栗原健太が契約更改を行い、東出は50%減の年俸3500万円、栗原は60%減となる年俸3360万円でサインした。両者ともにFA宣言をせずにカープに残り、レギュラーとして低迷期を支えていた。
 残念ながら怪我の影響で2年連続Aクラスのチームには貢献できなかたっが、黒田と新井がいなくなったカープを引っ張った牽引者なのは間違いない。
 東出と栗原がもう一度1軍で活躍する姿を見たいと思うカープファンは数多くいるだろう。だからこそ、新井の出る幕は一切ない。新井関連のニュースでカープの名前は金輪際出して欲しくない。
 「カープが大好きなんでつらかったです。もうカープのユニフォームを着られないのが寂しい」と話していた新井。
 その言葉通り、カープのユニフォームを着る機会は2度とない。カープ以外の新天地で目標の優勝と念願の2000安打を達成して欲しいものだ。