グレーゾーン…辻三蔵の「ウィークエンダー
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 良きにつけ、悪きにつけ、アンカツ中心に回っていた皐月賞。レースはフサイチホウオーが後方15番手にいる想定外の展開で始まった。これでは前の馬が楽をしていても、有力馬は動くに動けない。ましてや、フサイチをマークしていたアドマイヤオーラは相手の出方を待つしかない。
 それでも3コーナーから、さすがにレースは動き出す。中団後ろの11番手につけたココナッツパンチが3コーナーから一気にマクリにかかる。これは弥生賞と同じ必勝パターンだ。しかし、そこで内にいたアンカツさんがチラッと外を見る。手綱を抑えたまま、半ば強引に外に寄せると、隣にいたフライングアップル、大外にいたココナッツパンチが外に振られる形になった。
 テレビ画面で見ると、3頭が接触したように見るが、実は当たってはいない。現にノリさん(フライングアップル)はフサイチと並んで外に流れて、4コーナーをスムーズに回っていた。しかし、ココナッツパンチは加速がついたときにブレーキをかける形になったので大きく外にフラれた。ココナッツパンチの末脚を警戒したアンカツさんがノリさんの腕を計算して仕掛けた。ノリさんなら強引に外に出しても大きく振られることはない。4コーナーでアンカツさんが後ろを振り返ったのは不利があったからではなく、ノリさんのコース取りを確認したのだろう。「セーフ」なのがわかっていたから迷いもなく、一気に追い出した。「外側に斜行」したのは確かだが、過怠金は3万円。まさに黒に近いグレーゾーンだ。一方、勝負どころでリズムを崩したココナッツパンチは立て直すのが精一杯だった。  
 桜花賞でもアンカツさんは四位さん(ウオッカ)の進路を2度、塞いだ。直線入り口で外に寄せて、並びかけようとしたウオッカを大外に回した。しかも直線半ばでは内にモタれる面があるウオッカのクセを利用して、前に入るように外に寄せた。勝つためには最善の手を尽くす。勝負師として当然のことだ。
 それでも桜花賞は勝ったが、皐月賞は3着に敗れた。しかし、着差はわずかハナ、ハナ差。4コーナーで内に入れる選択肢もあったが、前の馬がバテないと感じたから外に出したのだろう。ただ、今回は最善の策が最良ではなかった。しかし、馬群の中に突っ込んだアドマイヤオーラは同じ位置取り、同じ上がり(3F33秒9)を使いながら、フサイチに0秒2差の4着だった。武豊騎手はロスのない競馬をしたが、掲示板に載るのがやっとだった。しかし、フサイチホウオーは勝ち馬が霞む位、圧倒的な存在感を示した。ダービーの主役は誰か、負けて尚、強烈に印象付けた。
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