「懲罰交代」辻三蔵の「ウィークエンダー
 今日の広島対巨人戦、正直な話、天谷のサヨナラスリーランは文字列を追っていただけなので事実を受け止めるのに時間がかかっている。なぜなら、11回裏ワンアウト1、2塁で代打石原が三球三振したことに腹が立っていたからだ。腰痛で試合に出場できない選手をなぜ1軍ベンチに入れている。その前になぜ、故障した選手を大事な場面で試合に出すことになったのか。それは8回裏、先頭打者の木村昇吾に代打ヒューバーを出したからだ。懲罰交代ならナンセンス極まりない。確かに木村昇吾は5回裏、ノーアウト1塁でバントのサインを見逃し、三振した。
 しかし、東出今季絶望の今後を考えれば、昇吾以外に2番セカンドを打てる選手はいない。しかも打率.379の木村昇吾に変わったのが打率.231のヒューバーだ。左投手専用の選手という前提で1軍にいるのに、右投手の越智で代打に出る。右投手相手では打率.198、本塁打1打点4。最近は左投手も打てなくなった(打率.277)。できるのはツースリーでフォアボールを選ぶことだけだ(34打席3安打13四死球)。そして、2球でアウトになった。使った意味が分からない。結局、守備固めで山本芳彦を使わざるを得ず、9回裏のチャンスでは代打前田を送っている。木村昇吾を懲罰交代したことで野手2人を無駄にしてしまった。監督としての危機管理がなさすぎる。
 付け加えて言うなら、3打数1安打1打点の赤松にも代打天谷が出た。赤松も5回表、坂本のセンターオーバーを取れなかったことが懲罰交代に繋がったのなら意味がわからない。野村謙二郎は監督して説明する義務がある。結果的にはその天谷がフォアボールを2つ選び、逆転スリーランを打った。しかし、これは天谷の頑張りであって、野村謙二郎の采配が功を奏した訳ではない。
 カープのウィークポイントは5番バッターだ。嶋の得点圏打率が.167、廣瀬は打率.319だが、39打点が示す通り、チャンスではリキんでしまう。7番岩本がチームトップの12本塁打を放って覚醒している。来年を考えれば、レフトもしくはファーストを守る外国人バッターが補強ポイントだ。
 野村謙二郎は昨日もヒューバー(67試合打率.229、6本塁打13打点)をスタメンで使った。もしかして、来年もヒューバーを使うつもりなのか。本来なら勝利に全く貢献していないヒューバーこそ、懲罰を与えるべきだ。結局、ヒューバーを使ったことで故障している石原を代打で使わざるを得なかった。監督しての資質を疑う。勝ったからいいのではない。野村謙二郎こそ、懲罰交代すべきだ。