晴れのち…辻三蔵の「ウィークエンダー
 先週日曜日、ウインズ錦糸町は昼の部はオガワコールで湧き、午後の部ではオーバコールが飛んだ。大学の先輩小川直也さんに「三蔵、プロなんだから当てろよ」と言われたが、霜月S(◎タマモクリエイト7番人気3着)は大庭騎手の頑張りで高配当が的中した(『穴党On Line』では3連単△-△-◎116,270円的中)。「オーバ!オーバ!」の絶叫が響き渡ったイベント会場はなんだか熱狂的アイドルファンの応援みたいだったが…。これもまた生イベントの醍醐味である。「プロ予想家」を名乗る以上、競馬ファンの方に楽しんでもらい、尚且つ、当たる予想をお届けするのが仕事だ。マイルCS(◎ライブコンサート12番人気5着…)は残念な結果になったが、大庭騎手のおかげで最低限の仕事ができた。
 気合を入れて臨んだ先日のグリーンチャンネル『KEIBAコンシェルジュ』はモーニングプランで取り上げた東京日曜1R(大庭◎ビッグギャンブラー5番人気2着)で馬連▲-◎1,700円(6点)、東京2R(大竹厩舎◎ダンシングロイヤル1着)で馬単◎→▲3,460円(6点)が本線で的中した。
 朝から多くのファンが集まった東京競馬場では1Rからオーバコールが飛び交い、昨年に続いて、大竹厩舎でJRA100勝を達成した蛯名騎手の笑顔溢れるインタビュー(2日前、大竹調教師に生まれたお嬢さんに贈る勝利)も心を温かくさせた。
 かつての熱気を取り戻した競馬場の雰囲気に今日は素晴らしい一日になりそうだと思っていたが、続く東京3Rで審議のランプが点灯した(スミヨン騎手が4コーナーで内側に斜行、過怠金7万円)。スミヨン騎手は前日の東京10R(進路妨害、過怠金3万円)に続いて、騎乗日数6日間で通算4度目の制裁処分になった(戒告1、過怠金計13万円)。晴れ晴れとした気分に水を差す出来事だった。
 競馬は誰のためにあるのか。つきつめて考えていけば、馬券を買うファンのためにある。日本の競馬はファンが買う馬券の売り上げで成り立っている。ジョッキーの一番のファンサービスは「まっすぐ走らせる」ことでもあるし、「最後までシッカリ追う」ことだ。馬券を買ったファンが当たっても外れても納得できる騎乗をする、出走馬が力を発揮できる環境を作るのが騎手の仕事だ。独りよがりの騎乗が周りに迷惑を及ぼし、事故が起きる可能性もある。そして、一番迷惑が及ぶのが馬券を買っているファンなのは間違いない。