天才大庭、祝100勝!辻三蔵の「ウィークエンダー
 やっぱり、天才だな。大庭騎手がライブインベガス(2月19日東京2R)でJRA通算100勝を達成したときに改めて思った。ライブインベガスは単勝8,120円(9番人気)が示す通り、厩舎サイドの話も弱気だし、目立った調教時計も出していない。ましてや、東京2R新馬戦は41頭が出馬投票して、優先出走権がないライブインベガスは運良く?30分の5の抽選を潜り抜けた。正直、もう1、2本欲しい仕上がりでの出走では厳しい。それが好位から抜け出す横綱相撲で勝つのだから驚いた。
 ただ、血統背景はシッカリしている。作家の浅田次郎氏の所有馬では初めての社台ファーム生産馬。母ベガスナイトは1200〜1600mで3勝しており、近親に米国G1馬ノーマターホワットがいる良血だ。金曜日、大庭騎手には「ウッドチップで調教時計が出ないのは非力だから。軽いダートは合うかも」「母は短距離のダートで走っていたし、新馬戦は重馬場のダートで2着していた。新馬駆けする血統だぞ」と話したが、まさか、勝つとは思いもしなかった。さすが、天才大庭である。
 大庭騎手は先入観にとらわれず、返し馬で乗ったときの感覚を信じる。人気や成績ではなく、自分の感性を信じられる強さが大穴を出す秘訣だろう。それにしても小島茂厩舎のランパスインベガスといい、ベガスと名前が付くと、不思議と新馬を勝つな。記念すべき100勝が浅田次郎氏の所有馬というのも「お祭り男」っぽい。やはり、何か持っているのか。ただ、100勝達成はここかと思っていた東京4R(コアレスアルダン4番人気8着)で見せ場なく、負けるのも大庭らしいと言えば、らしい…。うーん、やっぱり天災か?