変わるしかない。

4月7日、広島東洋カープ読売巨人軍に延長戦の末敗れ、7連敗を喫した。
延長戦では5戦全敗。
開幕10試合を終えて2勝8敗。
セリーグの借金6を全て背負うダントツの最下位だ。
セリーグ3位の防御率2.52が示す通り、接戦には持ち込んでいる。
1点差試合:2勝5敗、2点差試合:0勝1敗、3点差試合0勝2敗。
いずれも僅差の試合を落としているのはベンチワークに問題がある。

最たる例が4月7日の巨人戦。
9回表1対0でカープリード。
先頭打者亀井の左翼への飛球を守備固めに入った天谷が落球して2塁打。
ワンアウト3塁から大瀬良が投じた140球目を井端がライト前に弾き飛ばし、同点になった。
昨年までならレフトの守備固めは赤松か中東だろう。
「足と守備のスペシャリスト」赤松、赤松に匹敵する走力の持ち主で捕手もこなせるユーティリティプレイヤーの中東がキャンプ、オープン戦を通じて一度も一軍に呼ばれていない。
しかも8回裏にはヒットを打った新井の代走で新人の野間を使ったが、ピッチャーの山口は一切警戒せずに、次打者の會澤を初球で討ち取っている。

一方、巨人は11回表にワンアウト1塁から代走寺内が2盗。
続く鈴木の三遊間の当たりをショート田中が好捕したが、1塁は間に合わないと見て三塁へ悪送球。
勝ち越し点を奪われた場面は代走から守備固めに入った鈴木の走力が生きた形だ。

適材適所で人材をフル活用した巨人に対して、広島ベンチには勝負所で使える選手がベンチにいない。
「代打の切り札」的存在だった右の小窪、左の岩本は1試合のスタメンで結果を残せなかったので容赦なく二軍に落としている。
終盤に相手にプレッシャーを与える「仕事人」がいなければ、接戦の試合を勝てるわけがない。

試合後、天谷が「僕のせいです。(大瀬良)大地に申し訳ない」とコメントしていたが、選手が敗戦の責任を背負うような起用法を絶対にしてはいけない。

選手の奮起を促す言葉だけでは勝利は得られない。
選手が力を発揮できる場所を提供するのがベンチの仕事だ。
変わるなら今しかない。