人災

巨人対広島5回戦は1対0で巨人勝利。
エース前田健太が「スミイチ」で2連敗を喫した。
1週前の過ちを繰り返す「緒方野球」に絶望している。
前田健太防御率は1.50。
5試合で36イニングを投げて失点6に抑えているが、投球間に獲得した点数はわずか2点。
前田健太の戦績は1勝2敗。
無失点に抑えない限り、勝てないのは理不尽な話だ。

巨人のエース菅野が相手では1点勝負になるのは前回の対戦でも明らか。
しかし、「機動力野球」を掲げる緒方孝市が序盤に示した一手は相手を助ける走塁死。
1回表:丸盗塁死、2回表:田中走塁死、4回表:丸盗塁死。
貴重なランナーを無謀な走塁でアッサリ殺した。

前田健太が奮闘し、7回1失点に抑えた直後の8回表。
レフト・アンダーソンのエラーにより、ノーアウト3塁のチャンスを迎えた。
バッター田中広輔
チームトップの打点12が示す通り、勝負強さが持ち味だが、4月19日の中日戦では先制スクイズを決めた「器用さ」も兼ね備えている。
しかし、緒方孝市の采配は「無策」。
結果は三振に終わった。
その後、代打天谷が四球で出塁。
ワンアウト1、3塁で代打の切り札小窪が登場。
初球にセーフティースクイズを試みたが、あえなくファウル。
結果は三振に終わった。
続く安部もショートライナーに倒れ、同点、逆転のチャンスをフイにした。
ノドから手が出るほど欲しい1点を取りに行くなら、3塁ランナーロサリオに代走を出すべきだっただろう。
代走のスペシャリスト赤松がいなくても「脚の速さ」には定評がある野間や鈴木誠也がいる。
走塁判断に不安があるロサリオを変えることで、バッターも「転がせば何とかなる」と楽な気持ちで打席に立てるはずだ。
延長戦を考えるのは同点に追いついてからでもいい。
赤松ではなく、野間や鈴木誠也をベンチに置くのは守備固めや代走から試合に入っても打力を期待できるからだろう(おそらく)。
6戦全敗の延長戦で負けたとしても、前田健太の「負け」を消すことが「最優先事項」のはずだ。

緒方孝市の試合後のコメントがある。
初回の安部の守備について(3塁強襲ヒットで先制点を献上)。
「坂本の当たりは捕れたように見えたが…」
この男は何を言っているのか。
安部はキャンプ、オープン戦を通じてショート、セカンドを中心に守っていた。
サードの練習をしていない選手を実戦で使うのだからエラーはつきものだ。
菅野との相性の良さを買って起用するならば打撃の奮起を促せばいい。

まあ、最初に振り返るのは初回に先制点を取られた場面ではないだろう。
勝負所を見極めるセンスがないのは監督として致命的だ。
昨日の敗戦では「負けたからシッカリ反省。やるだけです」と話していた。
そして反省もなしに、同じ敗戦を繰り返していく。
今期最多タイの借金6は緒方孝市の人災だ。