苦悩

打率.258はセリーグ2位(1位は横浜の.260)。
得点167はセリーグ2位(1位は横浜の183)。
本塁打27はセリーグ2位(1位は横浜の35)。
防御率2.83はセリーグ3位(1位は巨人の2.57)。
失点142はセリーグ2位(最少失点は巨人の135)。
得失点差はセリーグ1位の+25(2位は巨人の+15)。

広島東洋カープは45試合が終わった時点で攻守ともにセリーグ上位の成績を収めているのに、借金7(19勝26敗)の最下位に陥っている。

1点差試合の戦績が8勝18敗。
今年のカープはファンの心を折る敗戦を何度も繰り返しているが、昨日のヤクルト戦は今年の集大成と言うべき試合だろう。

様々な采配ミスの中、あえて一つだけ指摘するならば緒方孝市が「結果論」の一言で片付けた9回表ツーアウト1、2塁の場面。
カープが8対7で1点リード。バッター三輪。
左翼のエルドレッドに守備固めをしなかったことだ。
今までなら7回辺りからレフトに守備固めの野間を入れていたが、今回は9回表、1点を争う緊迫した場面で起用しなかった。

結果は前進守備のエルドレッドをあざ笑うかのように三輪がレフトオーバーに逆転の3ベースを放った。
試合後、緒方孝市は「もし同点になったらと考えていたので(打席が回る可能性がある)エルドレッドを変えなかった」と話している。
しかし、エルドレッドの守備力の低下は復帰2戦目の試合を見ても明らかだ。
ヤクルト打線もレフトに打球が飛ぶと、一つでも前の塁を狙って積極的な走塁をしている。
今年、三輪はこの試合まで1本も長打を放っていないが、エルドレッドの守備位置を見てレフト方向に強い打球を打つことを意識していた。

中国新聞の「球炎」でも指摘されているが、なぜ「守備固めを使い、9回表で勝ち切る執念」「若い守護神への期待のメッセージ」がなかったのか。
指揮官が同点あるいは逆転覚悟で起用するストッパー中崎。
これほど惨めな存在はない。
今まで散々、緒方孝市の話を書いてきたが、今回の発言は新ストッパーの中崎だけではなく、カープナイン、そしてカープファンの信頼を踏み躙った。
「負ける前提で采配を揮う」監督では勝てる試合を落とすのは当然だ。

昨日の東京競馬場のイベントでも多くのファンの方にカープのことを聞かれたが、話した言葉はこの一言だけ。
緒方孝市が辞めれば優勝しますよ」。

緒方孝市マツダスタジアムに集まった連日満員のカープファンをバカにしている。
関東圏から遠征するファンはプラチナチケット化した観戦チケットを手にいれ、ホテルの予約を3月初めに取り、長時間かけて広島に向かう。
仕事を抱えている人間にとって早い段階で休日を取るには、相応以上の努力が必要だ。
もちろん、地元のカープファンも県内各所から集まり、仕事を早めに終わらせて、球場に駆けつけている。
カープの試合を楽しみに日々の仕事に励んでいるファンも多いだろう。

しかし、「緒方孝市」の試合を見る限り、カープへの愛情は薄れていく。
こんなに苦しい思い、悔しい気持ちを抱えてまでカープの試合を見に行くべきなのか。
緒方孝市が采配を続ける日数が長くなるほど、カープファンの心は離れていく。
手遅れになる前に、球団は早く決断したほうがいい。
カープ滅亡のシナリオは緒方孝市から始まっている。