悲劇再び

広島対ロッテ3回戦。
6回表ツーアウト1、2塁から先発野村がロッテ打線に5連打を食らい、7失点を喫した。
その瞬間、「梅津の悲劇」*1が頭によぎった。
カープナインはマウンドに集まり、野村を励まし、ピッチャー交代の時間稼ぎを行う。
カープベンチの畝投手コーチはブルペンと頻繁に連絡を取り、ピッチャー交代の合図を送る。

しかし、緒方孝市は全く動かない。
滅多打ちになる野村祐輔を見殺しにした。
野村は死力も気力も使い果たし6回10失点で「懲罰降板」を終えた。

5回裏まで3対3の同点だったスコアは6回表が終わった時点で10対3でロッテが大量リード。
緒方孝市は最小失点に抑える努力を一切せず、試合を捨てた。

懲罰降板の野村祐輔は悔しさと不甲斐なさで目が充血していた。
懲罰交代を受けたキャッチャーの石原は生気を失っていた。
緒方孝市は立ち直る意思を根こそぎ剃り落とし、選手を捨てた。

平日の木曜日にも関わらず、マツダスタジアムには27263人の大観衆が訪れている。
緒方孝市の年俸7000万円はマツダスタジアムに訪れているお客さんの入場料やグッズ代から出ている。
勝つ意思を全く見せず、試合を捨てた緒方孝市に監督をする資格はない。

8回裏にカープ打線が7点を奪い、2点差まで追い詰めたのは選手が監督を捨てた瞬間だろう。
8回表の12対3のスコアでそのまま負けていたら今年のカープ終戦だった。
野村祐輔、石原は使い物にならず、カープファンも呆れて応援する気力はなくなっていた。

しかし、8回裏の3ラン2本(会沢、菊池)を含む7得点は野村、石原、カープファンにわずかな勇気を与えた。
12対10の敗戦なら結果的には「大量失点を招いた」緒方孝市の「無能采配」がクローズアップされる。

借金は今期最多タイの8になった。
交流戦前に緒方孝市は「投手を中心とした守りの野球で勝っていきたい」と話していたが、
そんな野球が出来ないのは監督以外、皆知っている。

だからこそ、監督の采配に頼らず、自主的に得点を取る意思を体現した。
選手を無慈悲に扱う監督に対して、カープナインが反旗を翻した瞬間だと思いたい。
選手を、ファンを、試合を捨てた緒方孝市と一緒に戦う人間は誰もいない。