悪夢の始まり!辻三蔵の「ウィークエンダーキャッシュコールマイル遠征記」第3話!

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 レース当日の朝のスクラッチ騒動に、夕方の斤量変更。度重なるアクシデントに見舞われながら、コイウタはレースの時間を迎えた。
 しかし、パドックに入場したコイウタの精神状態は普通ではなかった。ヴィクトリアマイルではウチのヨメさん曰く、「寝ているのかと思った」ほど、落ち着いていた。ところが、今回は竹俣さん(厩務員)を手を焼くほど、テンションが高い。奥平師曰く、普段は「フラッシュを炊いて、写真を取られても平気」なほど、大人しい馬が白目を剥いて、興奮している。
 パドックの真ん前にローストチキンを焼く屋台があった。バーナーを使ったときに派手な炎が上がっていたが、コイウタはその音に驚いて、立ち上がった。竹俣さんや新畑さん(調教助手)が暴れるのを必死に抑えている。パドックの近くでチキンを焼く出店があること自体、論外だ。しかし、それ以上に我を見失うコイウタの姿が信じられなかった。
 何とか、内田博騎手を乗せて、馬場入場したが、アメリカは返し馬をしてからすぐに発走だ。日本のように待避所で馬を宥める時間はない。気持ちが昂ぶったまま、ゲートに入ったコイウタは再三、頭を上げる仕草を見せる。コイウタが腰を落とした瞬間、ゲートが開いた。(次回に続く)
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