「笑顔はいらない」辻三蔵の「ウィークエンダー
 今日のスタメンを見た瞬間、野村謙二郎は来年、日本テレビの解説に戻るのだと思った。そうでなければ、昨日、9対2でヤクルトに快勝したスタメンを大幅に変えはしない。3打数2安打1打点の嶋、ヤクルト戦8打数3安打の岩本を変えて、4番ファースト・ヒューバー。優勝争いから脱落しかかっている巨人を勝たせるためのオーダーとしか思えない。
 野村謙二郎はヒューバーが3回表に同点タイムリーを打ったと反論するだろう。バカにするのも甚だしい。得点圏打率は.167(42打数7安打)8打点。こんな情けない外国人がどこにいる。石井の勝負強さ(得点圏打率.433、30打数13安打14打点)、二軍で冷や飯を食っているフィオの13打点(打率.355、31打数11安打)にも遠く及ばない。さすが、野村謙二郎が自ら推薦した外国人打者のことはある。この男を使っている限り、借金は増えるばかりだ。
 案の定、5回表、赤松のヒットの後、ファーストフライ、8回表、赤松のヒットの後、空振り三振。そして極めつけは9回表、ワンアウト1、2塁。一打逆転のチャンスでショートゴロ。確実にゲッツーだったが、2塁送球を狙った坂本が赤松の好走塁に焦り、一塁に投げ直したら悪送球。運良く1塁に生き残った。しかし、廣瀬が凡退した後、左投手の山口から左打者の嶋がセンター前ヒットを打つ。3塁ランナーが同点のホームイン、2塁ランナー・ヒューバーはホーム手前でタッチアウトになった。ベンチには石井と岩本が残っていた。代走石井を出さない野村謙二郎のセンスのなさ。全力疾走してもヒューバーの足は遅い。ヒューバーの足が遅いことは野村謙二郎以外、誰でもわかる。今日はヒューバーにこだわった末の敗戦だ。ヒューバーがスタメンに名前を連ねたときの成績は14勝27敗。なるほど、カープの今季成績49勝73敗2分、借金24に比べれば、マシだ。しかし、勝利には全く貢献していない。
 某スポーツ紙によると、外国人選手はジオとソリアーノは残留確定、フィオとベイルは解雇濃厚、ヒューバー、スタルツ、チュークは今後の活躍次第で去就が決まると言う。こんなバカな話があるか。解雇するならなぜフィオをファームの4番で使うのか、ベイルをストッパーで使うのか。来年、いない選手を使う理由はないだろう。そして、74試合で打率.229、7本塁打、17打点のヒューバーがなぜ、解雇にならないのか。野村謙二郎には説明する義務がある。
 昨日の試合、前田の代打3点タイムリーの後、嶋に替わってヒューバーが出た瞬間、カープファンが静まり返った。押せ押せムードに水を差す野村采配、そして、野村の期待に応えることなく、アッサリ凡退するヒューバー。そんなにヒューバーがかわいければ、オーストラリアの独立リーグで一緒にプレーすればいい。日本のプロ野球で通用しないバッターと監督を雇う余裕は今のカープにはない。二人の年俸を合わせて1億1千万円なら、今年のブラゼル(8000万円)とマートン(5000万円)が取れる計算になる。
 ヒューバーが阪神戦で代打スリーランを打ったときに、野村謙二郎は見たこともないような笑顔を浮かべた。サヨナラ勝ちしたときでも仏頂面をしている男がヒューバーが打つと、良く笑う。しかし、野村謙二郎の笑顔はもういらない。来年は日本テレビの放送席に座っていることを切に願う。