実戦に勝る練習はなし。

9月14日(水)阪神対広島24回戦は広島カープが6対4で勝利。
阪神との対戦成績は18勝6敗。今季43度目の逆転勝ちになった。

今日の試合は7回裏に注目したい。
7回裏3対1でカープが2点リード。
先発薮田が6回1失点107球で降板。

2番手は13日に1軍昇格した九里。
リリーフではビハインドゲームでの登板が多かったが、
勝ち試合のセットアッパーとして初めて起用された。

先頭打者の上本にフルカウントから四球。
代打原口は三振に打ち取り、1番北条は3塁ゴロ。
イージーゴロだったが、3塁安部が悪送球。

1塁松山が捕球できず、ワンアウト1、2塁。
2番荒木はツーストライクワンボールで追い込んだ後に四球。
ワンアウト満塁。バッターは3番高山。

一塁ゴロに打ち取ったが、今度は一塁松山が本塁に送球エラーで失点。
ホームベース手前でワンバウンドし、捕手会沢が捕球できなかった。
その後は4番福留に犠牲フライ、5番ゴメスにセンター前タイムリーを打たれて逆転を許した。

2点差を引っ繰り返された場面をどう捉えるか。
消化試合でなければ、勝ちパターンの今村、大瀬良を起用していただろう。

緊迫した状況で九里のリリーフ適性を試す意図があった。
そう考えると、先頭打者へのフォアボールが反省材料だ。
打たせて取るタイプなのにストライクゾーンで勝負できない。
今年1年の課題が全く解消されていなかった。

1塁松山の球際の弱さも明確になった。
短期決戦では内野守備の綻びが敗戦につながる。
1塁守備に関しては新井、ルナ中心に守ることになるだろう。
レギュラーシーズンの緊張感の中でプレーすることで課題も浮き彫りになった。

それにしても逆転された直後の8回表の攻撃は見事だった。
阪神は新セットアッパーのサターホワイト。
4番松山2塁ゴロの後、5番鈴木が7球粘り、四球を選ぶ。
6番野間がファウルで粘り、5球目の変化球をセンター前に運んだ。
ワンアウト1、3塁。
7番安部は初球の変化球を打ち返し、ライトオーバーの3ベース。
野間の好走塁もあり、逆転に成功した。

安部はエラーをした直後の打席でも力まず、失投を一打で仕留めた。
自らの逆境を跳ね返し、九里や松山に奮起を促す価値ある逆転打になった。

9回表には代打ルナが7月23日の阪神戦以来、1カ月ぶりの4号本塁打を放った。

阪神の反撃ムードに水を差し、ストッパー中崎に勇気を与える貴重な追加点になった。
長打が欲しい場面で狙って本塁打を打てる。
2軍では長打を意識した打撃を心がけていたが、復帰2戦目で好結果が出た。
2軍で打撃を磨いてきた野間は4打数3安打の猛打賞。
菊池の代わりに7回から2塁守備に入った西川も好捕で球際の強さを見せた。

1軍生き残りを賭けた選手達の必死のプレーはチーム力の底上げにつながる。
クライマックスシリーズに向けて厳しい目線で選手の力量を図る緒方監督。
消化試合の気が抜けた雰囲気は全くない。